2019年03月17日 09時43分

「全員が超勤」正直すぎる教員採用パンフに賛否 仙台市教委は「現場の声を反映」

「全員が超勤」正直すぎる教員採用パンフに賛否 仙台市教委は「現場の声を反映」
仙台市教育委員会が作成した教員募集パンフレット

仙台市教育委員会が作成した教員募集パンフレットで、紹介されている教員8人全員が「超過勤務」ーー。河北新報が3月6日、市議会で市議からこんな指摘があったと報じた。

ネットでは「嘘を書くよりよっぽどいい」「呆れを通り越して笑える」と賛否両論だが、パンフレットでは、教員の長時間労働が「普通」となってしまっている現状があらわになっている。

●休憩が10分間の教員も

市教委の教職員課によると、教員受験者から「1日の働き方の流れを知りたい」といった声があり、教員に聞き取った上で、学校到着から退勤まで1日の流れを記載した。

しかし、掲載されている小中高、特別支援学校の8人の教員の勤務は、いずれも勤務時間が10時間半〜12時間20分。本来の「7時間45分」から大幅に超過している。

例えば、小学校の女性教員は、6時に起床し7時50分に学校に到着。8時50分から授業をはじめ12時25分に給食をとっている。

13時55分からの5、6時限目は他校で授業をし、16時になってようやく休憩30分。16時半からは学級担任と授業の打ち合わせをして、18時から教材研究をはじめ、19時に退勤するという1日が紹介されている。

図表

中学校の男性教員は、6時10分に起床し、学校に7時40分に到着した後、8時50分から1〜4時限目の授業や文書作成をする。給食開始は12時40分。

終わると、13時15分から5〜6時限目が始まり、16時10分から10分間の休憩をとった後、16時20分から18時まで部活動指導をしている。指導終了後、デスクワークをおこない19時30分に退勤している。

図表

教職員課の担当者は「確かに超過勤務になっており、勤務時間外の勤務があることは事実」としながら「実際の現場の声を反映するとこうなった。逆に8時半出勤で17時退勤というのでは、違う情報を載せることになってしまう」と話す。

中教審(中央教育審議会)は1月、「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」を示し、文科相に答申した。残業時間の上限目安を「原則1カ月で45時間、年間で360時間」と規定しており、仙台市教委も「ガイドラインを受けて、方針を早急に立てていく」としている。

このパンフレットは2020年度の採用向けに作られたもの(選考過程は2019年中)で、今後も使用を続けるという。

●現状ありのまま「誠実」と言えるが…

今回のパンフレットをどうとらえたらいいのか。

教育研究家で、中教審特別部会委員を務めた妹尾昌俊さんは「採用の際にいい部分しか言わない企業等が多い中、現状をありのまま正直に伝え、ミスマッチを防いでいる点については誠実とも言える」としながら、「市教委側に10時間以上の勤務を『普通』だと思う感覚が見え隠れしている。教師の仕事にやりがいがあるからと言って、超過勤務を仕方がないと当然視している見方や風土があるとすれば、それは良くない」と指摘する。

さらに、「実態は実態として、取り繕ってはいけないが、学校の長時間過密労働が社会問題になっている中、業務見直しなどの取り組みを行なっていることを説明していく必要もある」と話した。

(弁護士ドットコムニュース)

この記事へのコメント

hal 20代 男性

超過勤務ももちろんだが時間外手当一律4パーセントとかいうほぼ奴隷制度をどうにかしろよ。

N 男性 30代

この意見(給特法改正)はよく見る。自分も、現在の仕組みはおかしいと思う。けれど、これを変えた場合、残業にあたるのかどうかという基準は自分で決められなくなる(教育行政が基準を作り、管理職が判断する?)し、仕事の自律性は制限されて、仕事のやり方への締め付けは相当厳しくなる。それと引き換えだっていう覚悟も必要なんだけど、この主張(給特法改正)をしている人たちにそういう認識があるんだろうか。

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あま 30代 男性

給食代は食べても食べられなくても、給与から勝手に天引きされる。
出張があっても休校でも生徒指導があっても。
給食もやめてくれないかな。

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j 50代 男性

給食時間は学習指導要領の定める「指導」なので、やめるならそこから変えなくては。ただ、食事に関する指導が消えると、結構悲惨な状況も発生しそうです。
それよりも、給食が指導の一貫であり労基法の定める休憩に当たらない中で、「ではどうやって教員に適切な休憩を確保するのか」を考えた制度設計がされていないことが問題です。

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匿名ユーザー 30代 女性

教員に限定せず、全ての公務員、労働者に出退勤の打刻を義務付けて、勤務時間を把握する必要があるのではないか。

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