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「職場積立NISA」会社が従業員の利用を支援、新たな福利厚生の一環に
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「職場積立NISA」会社が従業員の利用を支援、新たな福利厚生の一環に

2014年に少額投資非課税制度(NISA)が始まって、2年が過ぎた。利用者は高齢者を中心に増加しているが、特に若い世代は「やってみたい」と思いながら二の足を踏んでいる人も多そうだ。そんな中、企業が従業員のNISAの利用を積極的に支援する「職場積立NISA」が話題を呼んでいる。

「NISA推進・連絡協議会」の集計によれば、2015年末時点で、延べ1268社が職場積立NISAをすでに導入している。企業が従業員のためにNISAの口座開設や商品説明などの機会をつくる制度だが、さらに進んで、91社が給与からNISA口座へ天引きしているという。

「職場積立NISA」を利用するメリット、デメリットはどのようなものか。内山瑛税理士に聞いた。

●職場単位で投資教育受けられるが、利用できる商品に制限も

「職場積立NISAは、企業と金融機関が契約し、職場単位で、NISAの口座開設や投資教育などができるサービスのことです。サラリーマンの財産が、貯蓄から投資へ移行する動きを進めるために始まりました。投資に対する意識を高めることも目的としているようです。

背景には、通常のNISAの利用者が伸びていないこと、特に若い世代のNISA利用が低迷しているという現実があります。日本ではいまだ貯蓄が重視される傾向で、投資へと行動する文化や意識の醸成ができていません」

企業、従業員、それぞれにどんなメリットがあるのだろうか。

「企業にとっては、福利厚生の一環となりますね。また、従業員の財産形成意識を高めることにつながります。

今までの財形貯蓄や企業年金などは簡単に引き出せまでんでした。しかし、NISAはそういった利用も容易になりますから、従業員の利便性も高まると言えるでしょう。また、企業と証券会社などが共同で開催する説明会や勉強会、セミナーなど、気軽に職場単位で投資教育を受けられることも大きなメリットですね」

では、なにか課題はあるだろうか。

「職場積立NISAは、その職場の提携している証券会社の商品しか購入することができません。本来、投資というのは、いろいろな証券会社のいろいろな商品を比較検討したうえで、するべきものです。選べる商品に限りがあることが、何よりも大きいデメリットですね。

また、既に個人でNISAを適用されている方は、職場積立NISAのサービスを受けることはできません。二重で口座を開設することはできないからです。利用できる人が限られているという点も、福利厚生に不公平感を生む可能性もあります」

内山税理士はこのように述べていた。

【取材協力税理士】

内山 瑛 (うちやま・あきら)税理士

「お客様の成長のよきパートナーとなる」ことをモットーに、記帳代行・税務申告にとどまらず、お客様を総合的にサポートしています。 「親身に、誠実に、迅速に対応すること」が会計事務所の責務だという信念のもと、お客様の利益のため、精一杯貢献いたします。

事務所名   :内山瑛公認会計士・税理士・行政書士事務所

事務所URL:http://www.uchi-zeirishi.com

(弁護士ドットコムニュース)

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