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「組合が謝罪しないと団交応じない」近畿大学の対応を不当労働行為と認定 大阪府労委
労働委員会が入る大阪府立労働センター(長兵衛 / PIXTA)

「組合が謝罪しないと団交応じない」近畿大学の対応を不当労働行為と認定 大阪府労委

有志でつくる近畿大教職員組合との団体交渉を正当な理由なく拒否するなどの不当労働行為があったとして、大阪府労働委員会は5月6日付で、近畿大(世耕弘成理事長)に対して、再発防止を約束する文書を組合側に提出するよう命じた。

命令書によると、団交の開催などをめぐり、組合側に提示した「差し違え条件」が組合の運営に介入したもの(支配介入)として問題視された。

認定された不当労働行為は以下の3点。

(1)2018年末に組合側がおこなった次年度の夏期一時金をめぐる団交の申し入れを拒否し、組合側が以前の団交で「職員の頭は筋肉」などと発言したことを謝罪しない限り団交に応じないと通知したこと

(2)2019年の夏期一時金を支給予定日に支給する条件として、組合側に労働委員会への救済申立や支配介入などの主張をしない旨の誓約書を、組合の正式な意思決定であることを証明する内部文書(組合総会決議の議事録など)とともに提出するよう求めたこと

(3)2019年の入試手当を支給予定日に支給する条件として、支払いにかかわる労働協約の締結を、組合の正式な意思決定であることを証明する内部文書とともに提出するよう求めたこと

手当はいずれも支給されたが、組合が大学側の対応を問題視し、府労委に救済を申し立てていた。

なお、組合側が大学のメールボックスを使って配布していた2019年6月の組合ニュースが廃棄されたことも争点になっていたが、適切であったとは言い難いものの情宣活動の妨害との認識があったとは言えないとして、不当労働行為とは認められなかった。

弁護士ドットコムニュースの取材に対して、近畿大は「命令書を精査中なので、コメントは控えたい。慎重に検討する」と回答した。

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