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2020年05月29日 15時56分

「感染は死に直結する」福祉施設から支援求めるSOS、「マスク不足」ほぼ100%回答

「感染は死に直結する」福祉施設から支援求めるSOS、「マスク不足」ほぼ100%回答
医労連の会見(2020年5月29日、東京・霞が関の厚労省、弁護士ドットコム撮影)

新型コロナウイルス感染拡大による介護福祉施設の対応について、全国の事業所へのアンケート調査が発表された。調査を実施した日本医療労働組合連合会は、5月29日の会見で「国の責任で物資調達、財政支援を求めたい」と訴えた。

調査は4月24日〜5月8日の期間、医労連加盟労働組合のある高齢福祉・障がい福祉・児童福祉の事業所のうち、回答した189の事業所の報告をまとめたもの。コロナ禍において「困っていること」「国や自治体に求めるもの」を調べた。

●アンケートからわかった「5つの不足」

医療現場同様に、介護現場も平時からの人手不足、低賃金の課題がある中、新型コロナの不安のなかで利用者を支えている。さらに、3大介護と呼ばれる「入浴・排泄・食事」を含めて、様々な場面で濃厚接触が避けられない。

介護・福祉現場から寄せられた「5つの不足」 介護・福祉現場から寄せられた「5つの不足」

調査からわかったのは、「マスク等の衛生物資」「体制」「補償」「設備」「情報」の5分野の不足だ。

マスクや消毒用アルコールはほぼ100%の事業者が不足していると回答。「マスクは週に1枚の配布」などの切実な声が寄せられた。

また、密を避けるため、入浴介助や消毒など作業の手間・時間が増えている。

くわえて、「学校の休校に伴い、子を持つ親が仕事を休んだ際の人員不足」(特養)の回答に代表されるが、一斉休校の対応で勤務が回らないという。

感染不安により利用者が減り、経営も悪化している事業所がある。さらに、すでに感染者が出てしまった事業所の半数以上が運営休止していることもわかった。

経営悪化は働いている人の賃金低下につながる。「危険と隣り合わせで働いていながら、賃金が低い。離職率が今後増えると思う」(寺田雄中央執行委員)。

●医療施設じゃないのに、感染者を受け入れなければいけない

感染の疑いのある利用者が病院に行っても、「様子を見て」と施設に帰されてしまう。しかし、医療施設ではないので、感染症に対応する設備を満足に備えていない施設がほとんどだ。

入院などの受け入れ先のない利用者を隔離して対応するのは、利用者にも職員にとっても大きな負担が生じる。

国からのコロナ対応の指針が現場に周知されていないとの訴えも多い。濃厚接触の対応は現場任せだ。保健所主導のもとで対応するための措置が必要だが、保健所や保健所職員が不足しているという課題もある。

●求められるもの

以上のような「5つの不足」に対して、衛生資材の現場供給、事業運営に対する資金投入、職員の生活への補償などが喫緊の課題となる。

「高齢者施設での感染は死に直結するため、職員、利用者の方のストレスは計り知れません。医療福祉、社会保障の充実を考え直していただきたい」(介護老人保健施設)

「今後もコロナ感染者の増減が続き、秋冬に増加が予想されます。それにむけて介護事業所も職員体制、教育、経営について立て直す必要があります。国、自治体の支援が急務です」との意見が各種事業所から届いている。

「緊急事態宣言は5月26日に解除されて、世間では日常が取り戻されつつあるが、介護福祉現場はまだ恐怖が残る。完全終息まで現場の緊張はなくならない」(寺田氏)

米沢哲書記次長は「医療介護機関がなくなると、社会が崩壊する。今回の結果を現場のSOSとして受け止めてもらいたい」と話した。

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