弁護士やNPO、労組でつくる「ブラック企業対策プロジェクト」は11月25日、厚労省で記者会見を開き、「ブラックバイト」についてのアンケート調査結果を公表した。
今回のアンケート調査は「ブラックバイト」を「学生であることを尊重されないアルバイト」と定義。アルバイト経験がある大学生2524人から回答を得た。
●多くの学生が「眠い」と回答
調査結果によると、4人に1人にあたる24.7%の学生が、現在行っているアルバイトにおいて、「会社の都合で勝手にシフトを変えられる」という経験をしていた。シフトに入りたくない時に入れと言われたことがある学生は34%いた。
法政大学の上西充子教授は「シフトが勝手に変更されるので、授業への出席やサークル活動が思い通りにできない、課題のための時間を取れないなど、いろいろなところで学生生活に支障が出ている。多くの学生が『眠い』と回答していた」と問題点を指摘した。
ほかに、労働条件を記載した書面を渡されていない、実際の労働条件が提示と違った、6時間勤務を超えても休憩がもらえなかったなど、何らかの「不当な扱い」を経験していた学生の比率が7割弱に及んだという。
回答のうち、3割弱の学生が週20時間以上のアルバイトをしており、月収の平均値は約5万1000円だった。
上西教授は「日本の労働者は、学生時代から劣悪な働き方に慣らされている」と指摘したうえで、「学生は、契約自体したことがない人が多い。『働く際には最初にちゃんと条件を確認する』という自衛策を教えることが重要だ」などと話していた。