元シブがき隊の俳優・布川敏和さん(48)とタレントのつちやかおりさん(49)夫妻が6月23日、離婚したことを発表した。2人は同日、東京都内の別々の場所・時刻に記者会見を開いて、離婚の理由や今後の生活について語った。
離婚の際によく問題になるのは、未成年の子どもの「親権」だ。布川さんとつちやさんは1991年に結婚し、1男2女をもうけている。長男と長女はすでに成人だが、次女はまだ13歳。その親権の行方が気になるところだが、布川さんは会見で、「次女の戸籍は僕のほうに残す。親権はつちやさんにもってもらう」と説明した。養育費や学費については、布川さんが支払うという。
また、「次女が成人になるまで、新しいパートナーと一緒に住まない」と、つちやさんが約束したことを明らかにした。布川さんは「(新しいパートナーを)家に入れるのもダメ。そういうことになれば、僕が次女を引き取る」と強調していた。
つちやさんも同日夜の記者会見で、布川さんとの約束について、「私も同じ考え」と話している。お互いが納得したうえでの離婚と言えそうだが、今回の2人の離婚について、弁護士はどうみているのだろうか。離婚問題にくわしい堀井亜生弁護士に聞いた。
●子どもの戸籍を残して、親権は移すケースは珍しい
――布川さんとつちやさんの離婚をどうみるか?
最近、女性が第二の人生として、女に戻りたいという理由で離婚するケースがあります。2人はまだ40代です。熟年離婚の若年化という見方もできるかもしれませんね。
――両親の離婚の際に、子どもの親権と戸籍を分けるということはよくあるのか?
めずらしいケースですね。ふつうは、親権者に子どもの戸籍も移すパターンが多いです。母親が親権者になった場合、子どもは母親の新しい戸籍に移すケースがほとんどです。
――なぜ子どもの戸籍を布川さんに残すことにしたのでしょうか
布川さんがお子さんのことを心配したからではないでしょうか。子どもが成人するまで再婚しないという約束も同様です。戸籍を残しておけば、名字が変わることもありません。つちやさんに好きな人がいるという状況で、母親としての役割をきちんと果たすのかという懸念があるのでしょう。
●再婚しただけでは、親権者の変更はできない
――子どもが成人するまでは、新しいパートナーと住まない、再婚しないという約束は守る必要がある?
これまで弁護士として仕事をしてきた中では、こうした約束に遭遇したことはありません。心のなかの希望としてはあるでしょうが、破ったとしても、法律上、ペナルティはないでしょう。つちやさんが「事情が変わったから」と、あとから破るかもしれないですね。布川さんを納得させるために約束したんじゃないですかね。
――もし、つちやさんが再婚したら、子どもの親権はどうなる?
再婚しただけでは、親権者の変更はできません。子どもの意思を尊重しつつ、子どものために良くない環境かどうかを最終的に裁判所が判断することになります。