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シングルマザーの「子連れ再婚」――元夫からもらっていた「養育費」はどうなる?
子連れの再婚はめずらしいことではない

シングルマザーの「子連れ再婚」――元夫からもらっていた「養育費」はどうなる?

歌手のhitomiさん(38)が、3度目の結婚と第二子の妊娠をブログで発表したことが話題になっている。hitomiさんは「とても優しくて頼りになる……。私の事、娘に対してもしっかり向き合ってくれて一緒にいるととにかく楽しいそんな方です」「今、妊娠5ヶ月です」と幸せをつづっている。

hitomiさんは2002年にヒップホップグループの男性と結婚したが、07年に離婚。その後、08年に俳優と再婚して長女を出産し、11年12月に離婚した。長女は、hitomiさんが親権を持って育てているという。

近頃ではhitomiさんに限らず、子連れの再婚が決して珍しいことではなくなっている。一般的に、子連れのシングルマザーが再婚する場合、元の夫との間で生まれた子どもの養育費はどうなるのだろうか。大和幸四郎弁護士に聞いた。

●養育費に影響があるのは「養子縁組」をした場合

「再婚したからといって、養育費の支払い義務がなくなったり、減らされることはありません。実父が、血のつながった生物学上の父親であることに変わりはありませんので、それまでどおりの養育費をもらえることになります。もし、実父が支払いを怠れば、母親は養育費を請求することもできます」

すると、再婚は養育費には影響を与えないと考えて良い?

「再婚しただけなら、そうですね。ただし、再婚相手が連れ子と『養子縁組』をした場合には、少し話が変わってきます。

生物学上の父親である実父については、養育費の支払義務が消えません。それと同時に、法律上の父親(養親)にも扶養義務が生じることになります。つまり、実父と養親の両方に、扶養義務が生じるということです」

その場合、どちらかの扶養義務が優先されるのだろうか?

「裁判例では、養親の扶養義務の方が、実父の扶養義務よりも優先されるという解釈が示されています」

養親が優先なら、もともと実父が支払っていた養育費の額も、変化するのだろうか?

「自動的に減額されるわけではありません。もし、実父が『養親にも養育費の負担をしてもらいたい』と考えたなら、家庭裁判所に養育費減額の調停を起こせば、減額が認められることが多いでしょう」

(弁護士ドットコムニュース)

プロフィール

大和 幸四郎
大和 幸四郎(やまと こうしろう)弁護士 武雄法律事務所
佐賀県弁護士会。2010年4月~2012年3月、佐賀県弁護士会・元消費者問題対策委員会委員長。元佐賀大学客員教授。法律研究者、人権活動家。借金問題、相続・刑事・男女問題など実績多数。

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