「ニュース23」(TBS系)でメインキャスターを務める小川彩佳アナウンサーが、夫と離婚に合意したと報じられている。「NEWSポストセブン」(6月2日配信)によれば、今年2月に「週刊文春」が、実業家で医師の豊田剛一郎氏の不倫問題を報じた後、2人は別居し、すでに離婚に合意しているという。
しかしNEWSポストセブン報道を受け、小川アナはTBSを通して、「事実誤認がある」とのコメントを発表。記事では、離婚に合意したことや財産分与が10億円にのぼることなどが書かれているが、具体的にどの部分が事実誤認かは不明だ。
もし仮に、離婚に合意した場合、小川さん夫妻はどのような点について協議をしていくことになるのか。この点について山口政貴弁護士が解説した記事(2021年2月10日掲載)を再掲載する。
●離婚するなら「財産分与」が焦点か
仮に離婚を選ぶことになった場合、主に(1)離婚理由、(2)慰謝料、(3)親権及び面会交流、養育費(4)財産分与、について協議することになる。
この内、(1)と(2)については、さほど揉めることにはならないはずだ。不貞関係があった以上、小川アナが離婚を希望すれば、民法上の離婚理由として認められる。また夫、浮気相手の女性に対する慰謝料請求もできるからだ。
そこで争点となるのが(3)と(4)だろう。2人の間には、2020年7月に生まれたばかりの第一子がいる。養育費については一般的に、裁判所が公開する「養育費算定表」が基準となり、親権や面会交流についてもそれぞれの状況に応じた話し合いがなされるだろう。
小川さんの場合、難しいのは(4)財産分与となるはずだ。
離婚問題に詳しい山口政貴弁護士によれば、財産分与は「夫婦が婚姻中に共同して築いた財産は離婚時には半々に分けるべきだという考え方が根底にある」という。
「そのため、分与の対象となる財産はあくまでも入籍後のものに限られ、入籍前に持っていた財産や、親族からもらった財産などは分与の対象とはなりません」(同)
●結婚は上場前、財産分与にどう影響する?
一般的に、富裕層の離婚には特有の難しさがあるともいう。山口弁護士は「経営者との離婚で一番争いになるのが収入、資産の把握です。両者の言い分は大きく対立することがあり、弁護士でも頭を悩ませるところです」と指摘する。
財産分与ではまず両者の資産を洗いざらい明らかにしなければいけない。
「サラリーマンであれば源泉徴収票を見れば収入は正確に把握できますが、経営者の場合は、それが非常に困難です。収入の上下が激しい、(中小企業だと)会社の資産と個人の資産が混同しがちである、確定申告書の収入が必ずしも実収入を正確に反映していないなどの理由があります」(同)
豊田さんのような上場会社の役員が離婚する場合、株式も争点となりそうだ。
「上場企業の役員が離婚する場合も、財産分与の基本的な考え方は変わりません。婚姻後に株式や役員報酬を取得した場合は分与の対象となりますし、婚姻前に新株予約権を持っていた場合あるいは独身時代に持っていた預金で株式を購入した場合などは分与対象とはなりません。
豊田さんの場合は、会社が上場したのは婚姻後のことでしょうが、新株予約権自体は小川さんとの婚姻前に既に保有していたものと思われます。もし今離婚ということになれば、新株予約権は分与の対象とはならないでしょう」
(解説部分は2021年2月10日掲載)