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離婚後は「生活保護でも受けてくれ」…非情な夫からの離婚宣告にどう立ち向かう?
画像はイメージです(よっちゃん必撮仕事人 / PIXTA)

離婚後は「生活保護でも受けてくれ」…非情な夫からの離婚宣告にどう立ち向かう?

ある日突然、配偶者から「離婚しよう」と言われたら、あなたならどうしますか? 

言われた側にとっては青天のへきれきでも、相手は熟慮を重ねているため、離婚への強い意思をもっています。弁護士ドットコムの法律相談には、突然の離婚宣告をされた方から多くの相談が寄せられています。

ある女性は「私の性格がキツイと突然離婚を言い渡されました。我慢の限界だそうです。歩み寄るつもりもないそうです。お互い不貞行為などはありません。家事などもきちんとしておりました」と投稿しました。

女性は専業主婦で、赤ちゃんは6カ月になったばかり。夫婦に貯金はないため、財産分与もありません。「家探し、職探しからしないといけない」状況であるのに、夫は「養育費は払うから、あとは生活保護でも受けてくれ」と、まるで他人事のようです。

女性にとっては、あまりに突然の離婚宣告でした。「離婚したい」と言われたとき、その後の話し合いはどう進めていけばよいのでしょうか?また離婚の応じる気がない人は、どう立ち向かっていけば良いのでしょうか?広瀬めぐみ弁護士の解説をお届けします。

(質問は弁護士ドットコムの法律相談コーナー「みんなの法律相談」に寄せられた相談をもとに編集部が作成しました)

A.別居または調停になると、正確な法知識がその後を分けます

うまく行っているはずの結婚生活で、突然の離婚宣言。意外にも男女を問わずご相談は多いです。

まずは相手にしっかりとした話し合いを求めて下さい。直接の話し合いに応じてくれたら、円満修復の可能性があります。相手の要望を聞き、夫婦関係を変革しましょう。

話し合いを拒否されても、別居や調停申立に至っていないなら、まだ大丈夫です。信頼する第三者の立会のもとでの話し合い、夫婦カウンセリングなどの提案をしてみましょう。対話のきっかけがあれば事態は好転する可能性があります。

問題は相手の離婚意思が固く、別居や調停になった場合です。事態は相当にこじれ、気持ちが離れていることを自覚して下さい。そして覚悟を決め、弁護士に相談しましょう。ここからは法的手段を視野に入れた行動が必要です。

別居となれば、専業主婦の場合は経済的な問題が大きく、子供がいればさらに事態が複雑になります。夫が出て行き、生活費が貰えなくなったら、すぐに婚姻費用(生活費)分担請求をしましょう。

離婚には5つの方法がありますが、日本の離婚の約90%は協議離婚です。当事者の話し合いで親権者を決め、離婚届を提出します。

協議離婚が難しい場合、家庭裁判所に調停を申し立て、調停委員を介して話し合いをします。調停は1カ月に1回くらいの頻度でおこない、だいたい6、7回で終結します。調停委員は必ずしも中立公正とは限りませんので、調停になったら弁護士をつけた方がベターです。    協議でも調停でも離婚が出来ず、片方が離婚を強く求める場合は離婚裁判になります。離婚が認められるか、親権、養育費、慰謝料、財産分与等について、裁判官が判断を下します。民法が定めた離婚原因が認められなければ敗訴です。

弁護士は当初の相談の段階から、離婚の話し合いに至る経緯や、これまでの監護実態(育児などの状況)、年収などを詳しく聞きます。それを元に、親権者や、養育費の額、判決結果や慰謝料の有無・金額などを予想します。

相談者のご意思も踏まえ、今何をやるべきかのアドバイスもします。突然、離婚宣言をされたらパニックに陥って当然でしょう。まずは信頼出来る弁護士を探し、相談をしましょう。それだけでも大分落ち着くはずです。必ず乗り越えられますのでご心配なく。

【取材協力弁護士】

プロフィール

広瀬 めぐみ
広瀬 めぐみ(ひろせ めぐみ)弁護士 広瀬めぐみ法律事務所
家事調停官4年勤務の経験から家事事件に精通し、家事事件手続等につき弁護士会等で講師多数。専門家としての知識・見識と共に、依頼者から安心してお任せ頂ける優しさを心がけている。一般民事事件・刑事も扱う。

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