2020年11月にグループでの活動を卒業し、ソロ活動に専念した「EXILE」のATSUSHIさん。女性との間で訴訟に発展するトラブルが起きていたと報じられている。
女性セブン(2021年3月18日号)によると、訴訟を起こしたのは元モデルの20代女性。2017年ごろからATSUSHIさんと恋人関係になり、2019年には結婚の話をする仲になったという。
しかし、2人は2019年末までに破局。仕事を辞めていた女性は約5000万円の損害賠償を求めて裁判を起こしたが、2021年2月に取り下げられたそうだ。
ATSUSHIさんと女性が婚約状態にあったのかは定かではないが、女性は仕事を辞めるなどしており、結婚を前提にした交際だと捉えていた可能性が高そうだ。このような場合、婚約破棄として慰謝料を請求することはできるのか。河内良弁護士に聞いた。
●河内弁護士「200万円程度が上限」
——そもそもどこからが婚約にあたりますか。
破棄が慰謝料請求の対象になる程度の「婚約」とは、当事者双方が真意から結婚の約束をしており、しかも、そのことが外形上も明らかな場合をいいます。
この約束が、「外形上も明らか」といえるかどうかは、今回のケースの方たちが、交際中にどのような行動を取ったかに左右されます。
指輪を交換したり、互いの両親に紹介したり、結納や結婚式場の下見などをしていたということになれば、婚約していたと認められる可能性は高くなります。
——報道によると、女性は約5000万円の損害賠償を求めていたそうです。一般的に、婚約破棄の慰謝料相場はどのくらいなのでしょうか。
「慰謝料」、すなわち、精神的苦痛に対する損害賠償は、夫婦が離婚する場合でも、おおむね300万円が上限と言われています。そのことからすると、婚約破棄の場合は、200万円程度が上限ではないかと思われます。
もちろん、「相場」と表現されるだけあって、絶対にこの金額を上回らないと定められているわけではありません。
婚約破棄に至る経過に顕著な悪質性が認められる場合に、裁判官が高額の慰謝料を認めることは稀にあります。そうだとしても、5000万円は相当高額な金額であるということができます。