警視庁の警察官から、違法な職務質問と所持品検査を受けて、精神的苦痛を負ったとして、東京都内のIT企業につとめるエンジニア、江添亮さん(32)が、都を相手取り計165万円の国家賠償をもとめた訴訟の判決で、東京地裁(市原義孝裁判長)は3月13日、江添さんの請求を棄却した。
判決によると、江添さんは2017年7月、東京・築地の歩道を歩いて会社に向かっていたところ、警察官に声をかけられて、背負っていたリュックの中身を見せるようもとめられた。江添さんが拒否すると、警察官に行く手を遮られたうえで、近くの駐車場に移動させられた。
その後、警察官にリュックの上から触って中身を確認することには応じ、免許証の提示もおこなった。江添さんは、「不審な挙動」をしていないにもかかわらず、ほとんど身動きできない状態で、職務質問と所持品検査をおこなうことは、違法だと主張していた。
市原裁判長は「警察官が声をかけた時点で、不審な挙動はなかった」としながらも、「刃物など危険品等が十分に入る大きさのリュックを背負っていた」「(江添さんが)牛丼店店員に110番通報を要請したことは不審事由にあたる」として、職務質問は適法だったと判断。それに伴う所持品検査も適法だとして、江添さんの主張を退けた。
江添さんは、弁護士ドットコムニュースの取材に対して、判決を不当として「控訴する予定だ」とコメントした。江添さんは判決文を公開している。 https://cpplover.blogspot.com/2019/03/110.html