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居酒屋「お通し」の説明義務論争…「食べたくない」不満続出、「チップ制」求める声も
画像はイメージです(いらすとや)

居酒屋「お通し」の説明義務論争…「食べたくない」不満続出、「チップ制」求める声も

居酒屋は「お通し」のシステムや、高額な「お通し代」について、前もって説明する義務があるのではないか。そんな記事(「お通し代『キャベツ1皿』3000円に驚き・・・お店に『説明義務』はないの?」https://www.bengo4.com/internet/n_7537/)を掲載したところ、読者から多くのコメントが寄せられました。

この記事で古川穣史弁護士は、「お通し」システムについて、「飲食店で提供されることが慣例となっています。したがって、お店に入った時点で注文していると考えることができます」と説明しています。

また、「数百円程度の『お通し代』であれば、慣習として説明されていないと考えられます」としながらも、この記事で問題となったお通しが高額すぎる点については、「あまりにも高額の場合などは、お店が説明するべき義務がある、と考えることもできると思います」と指摘しました。

読者から寄せられたコメントには、「お通し」について説明すべきだという意見から、「お通し」という制度自体に対する賛否の声、トラブルを事前に回避するための提案など、様々なものがありました。以下、読者から寄せられたコメントを紹介していきます。

●しっかりと説明するべき

「お通し」制度そのものは受け入れているが、高額なのは納得がいかないという意見が多くみられました。また、事前の説明やメニュー表などへの明記をするべきという意見もあります。

「お通し代500円は特に問題ないと思うけど、事前に説明があるか明記されてるなら別だけど、そうでないなら自分は二度と行かないね」(男性・40代)

「お通しは日本の悪習。せめて、メニュー表なりに値段を明示してほしい」(男性・20代)

「料金取るなら内容表示すべき」(男性・40代)

●「お通し」という制度に納得がいかない

説明義務があるかどうかの議論以前に、「お通し」という制度自体に納得のいかない方たちも。日頃の鬱憤を書き込んでいます。

「お通しってやり口本当に嫌いだわ。何で食べたくない物を勝手に出されて、金まで取られるんだよ」(男性・20代)

「お通しが当たり前になってきた世の中がおかしい。500円説明されずに自動的に払うっておかしい。」(女性・40代)

「当方も居酒屋等に行きますが腑に落ちません。そもそも頼んでもない物を持ってきて金だせはおかしい。外国の旅行者にかなり不評らしいです」(男性)

外国人旅行客が増えたことで、事前アナウンスするお店も増えてはいるようですが、確かに面食らう慣習の1つなのかもしれません。

●「大したことはない」「嫌なら行かなければいい」

「お通し」システムの是非をめぐって議論は続きます。

否定的な意見ばかりではなく、「大したこと無いじゃん」(20代の男性)と反論も寄せられました。他にも、

「通し代は普通。メインが美味しいか楽しいかによるあまり意味のない議論だ」(男性・50代)

「よく分からん文化ではあるが、お通しにちゃんとしたものがさっと出てくると好感は持てるし印象も残るな。店も適当な物出して利益出そうとせずにうまいこと客の獲得に利用したらいいのに。」(匿名)

「いい店はお通しにも手を抜かない。というか命かけてるくらいの所もある。店を評価する手っ取り早い基準を提示してもらってると思えばいいんじゃない?」(男性・50代)

など、お通しを肯定しつつ、質の良いものを期待する声も。

中には、や「こんなの普通でしょ! お通しや席料、サービス料が嫌ならコンビニで買って家飲みしたらいいでしょ。わざわざ高いお金だして飲みに行かなきゃいいのに」(男性・40代)「外食したことないの? 嫌ならお通しとウーロン茶でも、ビールでも頼んで出ればいい!」(男性・50代)といった厳しい意見も。

一方で、ある40代の男性は「勉強させてもらったと思って、次から行かなけりゃいいはなし。いまの時代、そんなアコギなことしてたら、長続きしないのが道理」とも指摘。

●店側の事情「客単価の低い客」対策

お通しを出すのは店側の事情も関係しているとのコメントも寄せられました。

「人件費や食材が高騰しているから総支払額を店側がなんとか上げようとするのは当然な流れだと思う」(男性)

「そもそも店側が席代やお通し代を取らなきゃならない風潮が出来たのが、席に着いてもあまり頼まない客や、ダラダラ居座るなどの『客単価の低い客』対策として始まってんですよね」(男性・30代)

30代の居酒屋店員の男性は、「二次会の若い大学生グループなんか1人1000円もいかないもんね。大人数で無駄に客席使って売り上げは上がらない。席料金、サービス料金取りたくなるのはわかります!」と、肯定的な意見を述べていました。

店側にもいろいろと事情はあるのでしょう。ある、バー勤務の男性(40代)の場合、席代やお通し代に見合ったサービスを意識しているそうです。「席料やサービス料というものを頂戴するのですから、それに見合ったものを提供するのは当然だと思ってます」と書いています。

●海外の「チップ」制度を提案する人も

「お通し」に対する様々な声がありましたが、最後に読者からの提案を紹介します。

「メニューの表紙に赤楷書フォントで金額を明記しなければならない条文を追加してはどうか」(匿名)

「観光客には『お通しマップ』みたいのが欲しいね。周辺で一番高い順に表示されるとか・・」(男性・40代)

「これだけ外国人がふえているのに慣習なんて通用しなくなる。お通しも注文制にすべきでしょ」(男性・50代)

「海外のレストランでチップという制度があるけどあれはサービスが悪かったら払わない事も出来る。お通しも接客態度や料理の質で払うか決めたいよね」(匿名)

このように、記事のテーマだった「お通しの金額」問題から、「お通しシステムの是非」に議論は発展しました。

店側の事情を考慮すれば「お通し」という制度自体は仕方ないのかもしれません。ただ、トラブルを回避するためにも、店側には事前の説明など、丁寧な対応が求められているのではないでしょうか。

(弁護士ドットコムニュース)

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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