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JASRAC、楽器メーカー運営の音楽教室から著作権料の徴収開始へ…4月1日から
JASRACの浅石道夫理事長

JASRAC、楽器メーカー運営の音楽教室から著作権料の徴収開始へ…4月1日から

JASRAC(日本音楽著作権協会)の浅石道夫理事長は3月8日、東京都内で記者会見を開いて、楽器メーカーや楽器店が運営する音楽教室を対象として、今年4月1日から著作権料の徴収を開始すると発表した。音楽教室には、今月中に契約手続きについて一斉案内する。個人が運営する音楽教室については、当面の間は対象としない。それ以外の、音楽教室での演奏に「演奏権」が及ぶかどうか争っていない事業者から著作権料を徴収しはじめることになる。

音楽教室の著作権料をめぐっては、JASRACが昨年6月、音楽教室を運営する事業者から、受講料収入(年額)の2.5%を徴収する「使用料規定」を文化庁に届け出て、今年1月から徴収する方針を示した。これに反発するヤマハ音楽振興会など音楽教室を運営する事業者でつくる「音楽教育を守る会」は昨年12月、JASRACの「使用料規定」を保留するよう、文化庁に裁定を申し立てた。

文化庁長官の諮問機関「文化審議会」は3月5日、使用料規定の保留をおこなわないとする答申をまとめて、文化庁長官は3月7日、事実上、徴収を認める裁定をおこなった。一方、文化庁長官はJASRACに対して、司法判断が下るまでは個別の督促(手続きの督促、請求)をしないよう行政指導をおこなっていた。ただ、行政指導には法的な拘束力はない。

JASRACの大橋健三常務理事は会見で「行政手続きは終了したが、演奏権が及ぶかどうかの裁判はまだつづいている。今後の状況次第では、上級審までつづく可能性がある。社会的混乱が起こらないように留意しながらやっていく」と説明した。演奏権について疑義を呈している「音楽教育を守る会」など事業者を「個別に狙い撃ちにするような督促」は、司法判断が確定するまで控えるとした。

●音楽教育を守る会「遺憾だ」

JASRACの発表を受けて、音楽教育を守る会の事務局は、弁護士ドットコムニュースの取材に次のように回答した。

「文化庁長官の裁定は、音楽教室のレッスンにおける楽曲の使用について、著作権法の『演奏権』が及ぶかどうか、JASRACに請求権があるかどうか、踏み込んだ判断はされていない。今回、JASRACは徴収する手続きの案内を送って、実績をつくりたいように見てとれる。請求権があるかどうかまだ確定していないのに、そのようにすることについては遺憾に思っている。

今回、文化庁長官の行政指導では『社会的混乱を回避しなさい』という内容だ。この行政指導を軽々しくあつかってほしくない。具体的には、事業者にとってみると、何度も何度も『契約の手続き』の案内がきたら、督促と何が違うのか。事業者にとっては気持ちのいいものではない。このあたりは社会的混乱そのものではないのか。督促に類するような『案内』を控えていただければと思う」

(弁護士ドットコムニュース)

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