「ポケモンGO」をめぐって、各地でトラブルが相次いでいる。プレーしながら自動車や原付バイクを運転していた人が検挙されるケースや、デマとみられる情報が流れて、人が深夜の公園に殺到したケースがあった。また、立ち入り禁止の区域に入ってしまう人も続出している。
それぞれのトラブルにどんな法的問題があるのか、一般ユーザーが注意すべき点は何か、西口竜司弁護士に聞いた。
●自転車を運転しながらプレー
東京都練馬区では、プレーしながら自転車に乗っていた男子大学生が別の自転車と接触する事故が起きた。自転車に運転しながらプレーすることにどんな問題があるのか。
「法律云々を述べる前に危険なのは明らかですが、『ポケモンGO』をしながら運転する行為は、運転中の携帯電話使用にあたり、道路交通法違反になります。
自転車の場合、即罰金ということになりませんが、注意を受け、2回以上通続けて摘発されると安全講習を受講することになります。
他方、自動車の場合はそうはいきません。法律では懲役まで書いてありますが、通常は9000円の反則金を支払うことになっています」
●立ち入り禁止区域に侵入
ポケモンを求めて、立ち入り禁止の区域や他人の敷地内に入るケースも発生している。
「人の家の中、敷地の中に入る行為は住居侵入罪や建造物侵入罪にあたります。レアなポケモンがいるからといってこのような行為をしたら取返しのつかないことになります」
●デマが流れた場合は?
名古屋では、レアなポケモンが出たとの情報が出まわり、深夜の鶴舞公園に大量に人が押し寄せた。もしデマを流して人が殺到した場合、どんな問題があるのか。
「SNSが普及している現代においてはすぐにデマが拡大します。
デマを流すことそれ自体が、ただちに法律に違反するわけではありません。ただし、デマによって他人の仕事を妨害するような事態になってしまったような場合、偽計業務妨害罪に問われてしまう可能性があります。
今回のケースは公園だったので、もしデマであっても、犯罪にあたる可能性は少ないかも知れませんが、たとえば、特定の店舗や施設に『レアなポケモンが出る』などとSNSで発信して、その施設に大量に人が押し寄せた結果、業務に支障をきたしたような場合です。
いずれにせよ、その他の法的な問題が発生する可能性がありますので、常識の範囲で楽しく遊んでほしいと思います。全国の弁護士の先生も次々にGETされておられるようです。私も負けてられないですね」
西口弁護士はこのように述べていた。