YouTuberのてんちむさんが3月11日、自身のYouTubeチャンネルにアップした動画で、自宅の住所がバレて嫌がらせにあっていたと明らかにした。
てんちむさんは2020年、豊胸手術の事実を隠してバストアップ商品をプロデュース、販売していたことが発覚。購入者への返金に追われ、ワンルームのアパートに引っ越していた。
てんちむさんは動画で「すでにこのお家が家バレしてて、自分のところにもDM(ダイレクトメール)がくるんですけど、ピンポイントでこの物件のURLが送られてきたこともあった」と告白。ダイヤル式の郵便ポストが破壊される被害にもあった。 てんちむCHより(https://www.youtube.com/watch?v=KxGSCzswZjA)
「返金の問題が解決していない中で、果たして引越していいのか」と悩みもしたというが、「自分もここで寝るのが怖いというのもあって」と引っ越しを決めた経緯について説明した。
人気YouTuberが「家バレ」により引っ越しを余儀なくされる事例は相次いでいる。果たして、住所を特定する行為に法的問題はないのだろうか。YouTuberでもある西口竜司弁護士に聞いた。
●ポスト破壊被害、てんちむさんが告訴をする必要がある
——てんちむさんの自宅の郵便ポストは何者かにより破壊されていたそうです
大みそかにおこなわれたRIZINでのシバターとの入場シーンは良かったですね。こんなことがあったんですか。法的問題についてお話します。
まず、ダイヤル破壊についてです。ダイヤルは、「器物」にあたりますし、破壊行為は鍵として使えなくなるので「損壊」にあたりますので、刑法261条の器物損壊罪にあたります。3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料が科されます。
れっきとした犯罪行為になりますが、てんちむさんが告訴をしないと起訴はできない犯罪(親告罪)になります。
●特定したことを告げただけでは犯罪にならないが…
——てんちむさんは住所も特定されていました。特定したことを本人に告げる行為に法的な問題はないのでしょうか。
住所を特定されるのは気持ち悪い行為ですが、犯罪と考えるのは難しいですね。
住所を特定したことを本人に伝える行為については、てんちむさんが怖がる可能性がありますので、刑法222条1項の脅迫罪が考えられます。
ただ、脅迫とは、人を畏怖させる意思で、畏怖させるおそれのある害悪を通知することを言いますので、特定したことを告げても脅迫とは考えにくいです。ただし、具体的な状況にもよりますが、「今から家におしかけてやる」などと言った場合は、脅迫罪が成立する可能性があります。
——特定した住所をネットに書き込んだ場合はどのような問題になりますか。 住所の情報はプライバシーに該当しますが、今の法律ではプライバシーをあばいても犯罪とはなりにくいです。
ただ、住所特定により仕事の続行が困難になるような場合、刑法233条の偽計業務妨害罪に該当する可能性はあります。また、民法709条に基づく損害賠償請求の余地もあります。
いずれにせよ他人のいやがることをすることは許されません。Youtuberだからといって何をしてもいいわけがありません。という私もYoutuberですが。