テレビ朝日「報道ステーション」の降板をめぐって、生放送中に「安倍政権からの圧力」を口にして物議をかもしている元経産省官僚の古賀茂明氏が4月16日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開いた。
古賀氏は会見で、自民党が明日17日にNHKとテレビ朝日の幹部を呼び出して、両局の報道番組について聴取することに触れて、「NHKとテレビ朝日には、自民党の呼び出しを断ってほしい」と呼びかけた。
古賀氏は、準レギュラーのコメンテーターとして出演していた「報道ステーション」で、安倍政権に批判的な発言を繰り返していた。3月27日の放送では、自身の降板について触れながら「政権からの圧力」をほのめかすなどして、キャスターの古舘伊知郎氏と口論となった。
こうした古賀氏の発言は、政界を巻き込んだ問題へと発展している。自民党の情報通信戦略調査会は4月17日、テレビ朝日の幹部を呼んで、説明を求める予定だ。NHKも、ヤラセ疑惑が指摘されている「クローズアップ現代」について、説明を求めるものと見られる。
●「自民党に呼ばれて行かないのは怖いだろう」
このような自民党の対応は、外国人記者にも「異例」と映ったようで、この日の会見でも古賀氏がどのような発言をするのか注目が集まった。
古賀氏は「自民党に呼ばれて行かないのは、(テレビ局には)怖いという感覚があるだろう」と述べた。そのうえで、「丁寧な言葉による聴取になるだろうが、集団リンチ的な状況が起こりうるのではないか」と述べ、政権与党である自民党からの圧力が生じる可能性を示唆した。
さらに、「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、規律されることがない」とうたった放送法3条をあげて、「自民党の呼び出しは、明らかに放送法に違反している」と持論を展開。古賀氏は、両局が与党からの圧力に屈しないように「呼び出しを断ってほしい」と述べた。
【動画】古賀茂明氏、テレビ朝日に「自民党の呼び出しを断って」