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「報酬、基準通り払って」青森の弁護士法人が法テラスを提訴 出廷加算も問題視
画像はイメージです(khadoma / PIXTA)

「報酬、基準通り払って」青森の弁護士法人が法テラスを提訴 出廷加算も問題視

基準通りの着手金、報酬金が支払われていないとして、青森県の弁護士法人「青空と大地」(代表社員・橋本明広弁護士)が、法テラスに対して19万7000円を求めた訴訟の第1回口頭弁論が5月15日、青森地裁八戸支部であった。提訴日は3月12日。

訴状によると、同弁護士法人は法テラスを利用した県内の女性から離婚調停と面会交流調停を受任。両事件で日程を合わせ、離婚は6回目、面会交流は4回目で調停成立した。

両事件で法テラスがおこなった報酬等の決定について、(1)出廷加算、(2)関連事件との一括決定にともなう報酬等の減額を問題視してる。

●(1)出廷加算

法テラスの「業務方法書」は、報酬の基準額を次のように定めている(別表3:代理援助立替基準)。

「現実に入手した金銭が、3,000万円までは、その10%(税別)を基準とする」

また、出廷加算は以下の通りだ。

「事件の難易、出廷回数等を考慮し、増減することができる」
「出廷回数は1回11,000円を基準とする」

これに対して今回の離婚調停の終結決定では、報酬として慰謝料約190万円の1割ほどに相当する約21万円が認められたものの、出廷加算はつかなかった。

弁護士法人側は、6回出廷しているため6万6000円が支払われるべきと主張している。

なお、弁護士法人側は、代理人が依頼者から報酬を回収するという決定だったため不服を申し立てている。

その際、長期分割払いとなるため、報酬金約21万円の代わりに法テラスが報酬金8万8000円(当面取立てのできない事件の報酬金)と出廷加算6万6000円を立て替えるよう要求。報酬金8万8000円については法テラスから立替払いがあり、出廷加算については認められなかったという経緯がある。

●(2)報酬等の減額

また、業務方法書の面会交流調停(家事調停事件・家事審判事件のうち家事事件手続法別表第二に掲げる事件)の基準額は次の通り。

「実費等20,000円」
「着手金88,000円~132,000円」
「金銭その他の財産的給付がない又は当面取立てができない事件の報酬金は66,000円~132,000円とし、標準額を88,000円とする」

これに対し、今回の面会交流調停では実費等1万円、着手金5万5000円とされ、報酬は0円だった。

不服申し立てに対し、法テラスは離婚調停事件と一括して報酬を決定したと説明。調停期日が同じ日に入っていたことや、期日外の面会交流試行に立ち会うなどの活動がないことなどから、金額は正当だとして退けた。

弁護士法人側は、業務方法書を無視した違法な決定だとして、標準額との差額13万1000円を求めている。

代表社員の橋本弁護士は、「複数の事件を同時に援助する場合に、『調整(減額)』は当たり前のようにおこなわれている。その是非を問いたい」とコメントした。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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