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ジャニーズ問題はソンタク日本社会そのもの 外国人記者が語る「外圧に弱いお国柄」
会見する東山紀之社長(弁護士ドットコム撮影)とジャニーズ事務所(yu_photo / PIXTA)

ジャニーズ問題はソンタク日本社会そのもの 外国人記者が語る「外圧に弱いお国柄」

ジャニーズ事務所は9月8日、ジャニー喜多川氏の性加害について公式に認め、被害者に対して謝罪した。発端となったのは英公共放送BBCのドキュメンタリー番組「Predator: The Secret Scandal of J-Pop(J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル)」が3月に放映されたことだった。

かつて暴露本の出版や、週刊文春の報道など変わるタイミングは何度かあった。しかし、大きなうねりにはならなかった。日本は「外圧」からしか変わることができないのだろうか。日本に在住する外国人ジャーナリストは、この半年間の変化をどう見たのか。

●「日本社会の『ソンタク』の氷山の一角」

「(東山紀之新社長など)人事異動は単なる単なる目くらましだ。何も変わっていない」

日本外国特派員教会(FCCJ)メンバーで、英国出身の作家ブライアン・ロング氏は手厳しい。ジャニー氏がまだ生きていたころに、日本の主要メディアが取り上げるべきだったと指摘。BBCと国連が事態を煽動したという事実は、いかに金がものを言うかを反映しているとした。

さらに「やっと虐待について取り組んだように見えるが、日本社会における『ソンタク』の氷山の一角に過ぎないのではないか」と投げかけた。また、英国人の女性ジャーナリストも「日本は外圧がないと変われないのでしょうか。背景には、政治的・社会的要因があるのかもしれない」と、日本にはびこる体質そのものに対する疑問を口にした。

オーストラリア人で、日本で米兵から性被害に遭ったキャサリン・ジェーン・フィッシャーさんも「『国民の安全』が最優先事項のはず。でも日本政府は常に反応が遅い。24時間性被害に対応できるセンターをつくるべきと訴えてから20年以上たってからやっと実現しました」と話す。

●「男性の性被害が認識されたことは進展」

一方で、男性の被害について認識されてこなかった過去を見れば、一定の進歩だとキャサリンさんは評価する。

「性被害は女性だけでなく、男性、障害者、子ども…数多くいます。レイプはセックスじゃない。勇気を出して声を上げた彼らは前向きで強い。敬意を表します」

数百人ともいわれる被害者のなかで、国連や再発防止チーム、当事者の会で聴取を受けたのは、ほんの一部だ。彼らを心配する声も上がった。

「たった一つのグループの声を聞いただけ。他のあまたの被害者は無視されています。声を上げた人も含めて、ちゃんとケアされるのでしょうか?」(キャサリンさん)

「事務所名が変更されないことで、『ジャニーズ』と耳にしてトラウマを刺激しないのでしょうか」(英国人ジャーナリスト)

BBCでは、人気司会者ジミー・サビル氏の少年や少女への性的虐待が死後に発覚していることもあり、自国の報道に対して苦言を呈する英国人ジャーナリストもいた。

「BBCの報道には記者としてリスペクトするが、日本に対する『上から目線』もあったように感じた。同じような事件ありましたよね、と」

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