旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の田中富広会長は8月10日、日本外国特派員協会(東京都)で記者会見を開き、「過剰なメディア報道によって、信徒からさまざまな被害が報告されている」として、正確、公正、客観的な報道をしてほしいと呼びかけた。
田中会長によると、全国の教会に脅迫電話などが寄せられ、集会の妨害なども起きているという。そのうえで「報道の中には、見過ごすことのできない酷い内容もある」として、報道に反論した。
要旨は以下の通り。これらについて、メディアなどの検証がなされることになりそうだ。
●「名称変更は正体隠しではない」
・献金や霊感商法について
2009年の「新世事件」をきっかけに、高額献金がないよう徹底的に努力してきた。民事事件についても返金要請などに対して、個別に適正に対応している。
旧統一教会に対する何らかの相談があれば、消費者センターから報告してもらう体制をとっているが、2014年以降、相談を受けたとの報告は一件もない。
・教団の名称変更について
名称変更は世界的なもので、正体隠しのためのものではない。当初、文化庁が難色を示したのは事実で、教団として紛争を起こすべきではないとして引き下がってきた。
ただ、2015年に訴訟もやむを得ないとして専門家の意見書も添えて変更を求めた。法律問題として適切に処理されたもので、政治的介入や不正はない。また、名称変更後1年間は、旧統一教会の名称も併記し、社会に周知してきた。
・正体隠しの伝導について
一部信徒が団体名を明かさずに勧誘したことが問題化したため、名前を出すように指導を徹底している。
友好団体が伝導のためのダミー団体のように扱われているが、それぞれが独立した活動を展開している。
・結婚について
かつては文鮮明夫妻にパートナーを紹介してもらっていたが、今は父母や先輩らの紹介で一定の交際期間もある。意に反した結婚の強制はない。離婚は皆無ではないが、離婚率は2%以下であり、圧倒的に少ない。