STAP細胞をめぐる問題について、謝罪と釈明の記者会見をおこなった理化学研究所(理研)の小保方晴子ユニットリーダー。論文に「不正行為」があったと理研の調査委員会から認定されたことについては、「悪意のない間違いだった」として、不服申立てをしている。
小保方リーダーは、理研に提出した不服申立書のなかで、再調査を希望するとともに、再調査をおこなう調査委員会の「構成」について要望を出している。不服申立てに対する再調査は、元の調査をした委員とは別の人たちがおこなうべきで、理研以外の外部の委員に委ねるのがよい、などと要望しているのだ。
●「同じ委員だと、判断がくつがえるのは難しい」
しかし、理研の規程によると、「特段の事情」がない限り、元の調査をおこなった調査委員会が不服申立てについても審査するとされている。その点は理研も認めていて、コンプライアンス担当の米倉実理事が4月1日の記者会見で、「現在の体制では、第一次審査をおこなったところがもう一度、再審査をおこなうというのが、現実です」と述べている。
そうすると、小保方リーダーはまた「同じ」委員たちに審査される可能性が大きいわけだが、そのことについて、小保方リーダー自身はどう考えているのか。大きな注目を集めた4月9日の記者会見で、小保方リーダーは次のように答えている。
小保方 「調査委員会の先生方もこの2カ月半の間、自分の研究を止めて、このような調査に参加していただいて、本当に申し訳なく思っています。ただ、やはり、一度出た判決が同じ方々によってくつがえるということは難しいのかな、と。これは私の考えですが、正直、そう思っています」
記者 「そうすると、ぜひ別の人たち、特に外部の人たちに審査してもらいたいと、考えているということでしょうか」
小保方 「はい。そのような気持ちはあります」
●「同じ委員会が再審査するのは、手続保障として不十分」
小保方リーダーに続いて、代理人の三木秀夫弁護士も意見を述べた。「理研の規程は、『特段の事情』がある場合は別の委員会にかける、と読むこともできる」と話したうえで、再調査する委員会の構成について、次のように語った。
三木弁護士 「今回は事実上、控訴審的な位置づけなので、同じ委員会が再度審査するというのは、手続上の不公正感があり、手続保障として十分でない。理研のためにも、別の委員会にしたほうが信頼感が高まるのではないかと思います」
このような小保方リーダー側の要望について、理研はどう応じるのか。小保方リーダーの記者会見の翌日(4月10日)、野依良治理事長は「規程にしたがって調査委員会にいろいろご判断いただく」と報道陣に語ったが、調査委員会のメンバー構成については特に言及していない。