入管法改正案が閣議決定されたことを受けて、日弁連(小林元治会長)は3月9日、反対する会長声明を出した。
改正案では、難民認定の申請中は送還が停止される規定を改め、申請を原則2回に制限し、3年以上の実刑判決を受けた人には適用しないとしている。
声明では、3回目以降の申請でも相当の理由がある場合は除外される規定について不十分だと指摘。「例外に当たることを理由に争う制度や例外に当たるか否かの判断についての第三者機関等によるモニタリングを併せて設けるものではない」としている。
この改正案は2021年に提出されたが、国内外からの批判を受けて廃案となった。同年3月には名古屋入管で、スリランカ人のウィシュマさんが適切な医療を受けられず亡くなる事件が起きている。
日弁連は(ウィシュマさん事件の)真相究明が果たされておらず、2022年11月に東京入管の収容施設内で死亡事件が新たに発生するなど、制度には多数の問題があると批判し、抜本的な修正がされない限り、改正案に反対だと表明している。
そのうえで、入管庁から独立した難民認定機関を設置することや、収容期間に上限を設けて裁判官の令状を必要とする司法審査を導入することなどを提案した。