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「年の差婚」で妻が若いほど、もらえる年金も増える! 中高年リーマン「夢のまた夢」
写真はイメージです(kou / PIXTA)

「年の差婚」で妻が若いほど、もらえる年金も増える! 中高年リーマン「夢のまた夢」

中高年の独身男性サラリーマンにとって、「若い女性と結婚したい」というのは、大きな夢かもしれない。もし、その夢がかなった場合、手に入るのは若い妻だけではなく、条件次第ではお金ももらえることを知っているだろうか。

●妻が若ければ若いほど多くもらえる「加給年金」

65歳になり、老齢基礎年金と老齢厚生年金を受け取ることになったとしよう。もし、年金の受給権を取得した当時、生計を維持していた配偶者や子(18歳到達年度末まで又は障害等級1級・2級に該当する20歳未満の子に限る)がいれば「加給年金」という年金も受け取ることができる。また、配偶者加給年金には受給者の生年月日に応じて、配偶者の加給年金額に33,100円~165,500円が特別加算される。

「加給年金」は原則、対象配偶者が65歳になるまで受給が可能なため、妻が若ければ若いほど長い期間もらえることになる。支給停止事由に該当しない限り、妻が5歳年下の60歳ならば5年間、30歳年下の35歳ならば30年間受け取ることができる。

「加給年金」の金額は法律で定める一定の額に、改定率を乗じて得た額となっており、現在は下記の通りである。

配偶者:224,300円

1人目・2人目の子:各224,300円

3人目以降の子:各74,800円

(子どもは18歳到達年度の末日までの間の子、または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子)

受給者が昭和18年4月2日以後生まれであれば、上記に加えて165,500円が特別加算されるので、配偶者がいれば、389,800円(224,300円+165,500円)を受け取ることができる。

●「加給年金」を受け取るための要件

「加給年金」をもらうためには、クリアしなければならないいくつかの要件がある。年金受給者である夫は、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上でなければならない。芸能人の年の差婚を見て、「自分には無縁だ」と落ち込む必要はない。サラリーマンとして働き続けたからこそ、手に入るものがあるということだ。

このほかにも要件がある。受給者による生計維持状態(原則、前年の収入850万円未満、同居)を満たさない時や、対象配偶者が老齢厚生年金(被保険者期間が20年以上)または障害年金を受ける間は、残念ながら「加給年金」は支給停止となる。若い女性と結婚することができたとしても、状況や条件次第で受給ができない可能性もありそうだ。

主な要件をまとめると、以下のようになる。

・年金受給者の厚生年金保険の被保険者期間が20年以上あること

・対象者が受給者と生計維持状態にあること

・対象者が老齢厚生年金(被保険者期間が20年以上)または障害年金を受給していないこと

●30歳差夫婦はトータル1000万円以上もお得

具体的な数字をもとに、簡単なシミュレーションをしてみたい。

20歳年下の妻であれば、年金受給開始時は45歳ということになる。妻が65歳になるまでの期間は20年間あるため、389,800円×20年=7,796,000円の加給年金が受給可能となる。更に受給可能期間が長い30歳年下の妻をゲットした場合は、389,800円×30年=11,694,000円も加給年金が受給可能ということに。ただし、30年間もらい続けた場合、夫の年齢は95歳になっている。夫婦ともに元気でいることが大前提だ。

これまで説明したことは、あくまで結婚(事実婚でも可)ができて、若い配偶者がいる場合の話。そもそも年齢について高望みをした挙句、結婚ができないのであれば、何も得られるものはないので、「夢のまた夢」ということなのかもしれない。

【監修】

蝦名 和広(えびな・かずひろ)税理士

特定社会保険労務士・海事代理士・行政書士。北海学園大学経済学部卒業。札幌市西区で開業、税務、労務、新設法人支援まで、幅広くクライアントをサポート。趣味はクレー射撃、一児のパパ。

事務所名   : 税理士・社会保険労務士・海事代理士・行政書士 蝦名事務所

事務所URL:http://office-ebina.com

(弁護士ドットコムニュース)

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