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福島原発訴訟、裁判所が異例の「現地検証」…弁護団「文字で分からない被害を感じて」
現地検証の様子(代表撮影)

福島原発訴訟、裁判所が異例の「現地検証」…弁護団「文字で分からない被害を感じて」

2011年の福島第一原発の事故によって故郷を失ったなどとして、避難者たちが東京電力に対して慰謝料の支払いを求めている裁判で、福島地裁いわき支部は7月22日、福島第一原発がある福島県双葉郡で現地検証をおこなった。

検証は、双葉郡の楢葉町を中心に、計8ヶ所で実施。裁判を担当する3名の裁判官が、小学校や住宅街などを弁護団の説明を受けながら見てまわる。その中のひとつで、除染作業で取り除かれた土壌などの保管場所になっている「前原第三仮置場」の検証の様子が、報道関係者向けに公開された。

前原第三仮置場は、原発事故以前は、その多くが農地として利用され、住宅などがまばらに存在する地域だった。現在は、広大な土地に汚染物質の入った土のう袋がうず高く積まれている。検証は仮置場の入り口付近で行われ、弁護団の説明に、裁判官たちは真剣に耳を傾けていた。仮置場の検証は15分程度で終わった。検証の途中でも、作業車両が土埃をあげながらひんぱんに仮置場に出入りしていた。

弁護団幹事長の米倉勉弁護士によると、裁判所が現地検証を実施することは「非常に珍しい」という。「弁護士でも、一度も経験したことがないという弁護士が少なくない。それくらい珍しい」。

現地検証を実施するよう裁判所に求めてきた意図について、「裁判官に、写真や文字ではわからない原発事故の被害の実態を知ってほしかった。歩いている人がいない町を、その目で見て、肌で感じてほしかった」と語った。

(弁護士ドットコムニュース)

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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