2014年04月16日 20時27分

死刑制度は廃止すべき?存置すべき? 弁護士にきいてみた

死刑制度は廃止すべき?存置すべき? 弁護士にきいてみた
刑罰として死刑を存置している国と、そうでない国がある。

「世界で最も長く収監されている死刑囚」としてギネスブックにも掲載された袴田事件。長年にわたる再審請求が実り、3月下旬、再審開始の決定が出た。さらに静岡地裁による「異例の判断」で、死刑囚として収監されていた袴田巌さんは、無罪判決をまたずに釈放された。48年ぶりに自由の身となったのだ。

今回の再審開始について、駐日英国大使館はツイッターで、「司法が万能ではないこと、そして日本が死刑を廃止する必要性を示しています」という見解を表明した(http://www.bengo4.com/topics/1341/)。この英国大使館の見解のように、袴田事件の問題をふまえて、「死刑制度」の是非を問い直すべきだという指摘が出ている。

英国をはじめとするヨーロッパでは、死刑がない国が増えており、「日本も死刑制度を廃止すべきだ」という声がある。その一方で、「死刑制度は存置すべきだ」という意見も根強い。では、刑事事件に弁護人として関わることがある弁護士たちは、死刑制度についてどのように考えているのだろうか。弁護士ドットコムに登録している弁護士たちに聞いてみた。

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このニュースに対する弁護士の回答

※2014年03月31日から2014年04月07日での間に集計された回答です。

アンケート結果

  • 投票1 死刑制度は存置すべき

    8

    • 西口 竜司弁護士
    • 星野 宏明弁護士
    • 武藏 元弁護士
    • 中西 洋平弁護士
    • 川崎 政宏弁護士
    • 加藤 尚憲弁護士
    • 岡田 晃朝弁護士
    • 川面 武弁護士
  • 投票2 死刑制度は廃止すべき

    20

  • 投票3 どちらでもない

    3

    • 山村 力弁護士
    • 河内 良弁護士
    • 中村 晃基弁護士

回答一覧

回答の絞込み

投票:死刑制度は廃止すべき

弁護士になる前には、死刑制度は存置しても構わない、程度のスタンスだったように覚えています。
(当時は国際的な潮流や、存置・廃止両サイドの思想等について、深く考察もしていませんでした。)

しかし、実際に刑事弁護に関わるようになってからは、死刑制度は廃止すべきだと考えています。
弁護側立証を、みごとなまでの屁理屈で退ける刑事判決の積み重ねを見ると、日本における冤罪は、大小様々に多数存在していることは想像に難くありません(私の関わった刑事事件でも思い当たる件はあります)。
死刑判決における冤罪も容易に発生しうる現在の刑事司法制度において、極刑を存置することは許されないでしょう。

そもそも、無罪推定が原則通りに適用されるのであれば、否認刑事事件がこれほどの難しさを伴うわけはないはずです。

2014年03月31日 15時52分

回答番号 570
投票:死刑制度は廃止すべき

私は死刑は廃止すべきと考える。それは誤判の可能性があるからである。裁判は人間によって行われる。どんなに慎重に判断しても誤りは有り得る。特に裁判員制度のもとではそうであろう。そして、死刑が執行されたら、命は蘇らない。取り返しがつかないのである。このような挽回不可能刑は廃止すべきであろう。このことは国際的潮流にも合致する。

2014年03月31日 19時37分

回答番号 572
投票:死刑制度は廃止すべき

万が一でも、冤罪で死刑ということは避けなければならないと思います。
被害者、遺族の心理として、応報的に、殺してしまいたいという気持ちは分かりますが、遺族のケアはそれでは実は解決しないことではないかと思っています。
ただ、一方で、死刑存置の意見も根強いこともありますので、死刑制度に変わる刑罰制度も考えなければなりません。
終身刑というのもありますが、死ぬまで出られない、というのではなく、仮釈放の余地のある現行よりも長期の刑を考えていかなければならないと思います。

2014年04月02日 07時09分

回答番号 575
投票:死刑制度は廃止すべき

 人間は間違いを犯すものであるということ、世の中に絶対はないということを考えれば、取り返しのつかない「死」という結果を生じさせてしまうような制度は、社会のルールとしてふさわしくないと思います。

 そして、えん罪の可能性がある事件とそうでない事件で死刑の適用を変えるということも、刑罰の平等性の観点から問題があると思いますから、結局全ての事件において死刑を認めるべきではないと考えます。

 犯罪被害者に配慮する必要があることは当然ですが、その配慮が死刑である必然性はないと思います。もっと別の観点から、犯罪被害者への適切なケアを今後も考えていくべきであると思います。

2014年04月02日 12時33分

回答番号 577
投票:死刑制度は廃止すべき

 冤罪はどうやっても防ぐことができません。そうであれば死刑を存置すると無実の人を国が殺すことになるので許されないと考えます。

 被害者の方のことも考えなければなりません。その点については法定刑の上限を引き上げるなどの対応も可能です。死刑は重い刑罰ですが、一生刑務所で暮らさなければならないと思いながら生活していくのもかなり重いものだと思います。

 国民の声も聞きながら、法定刑を妥当なものにし、同時に死刑も廃止すべきだと思います。

2014年04月02日 12時41分

回答番号 578
投票:死刑制度は存置すべき

最終的には政治判断されるべきことで、私ども弁護士としては定まった方の中で対応すべきことであると思います。

現時点では、基本的には民意に従い、刑は維持すればよいでしょう。
(民意に変動があれば廃止でよいでしょう)

裁判員制度なども、結局は法律家と民意がかけ離れていたからこそおかれた制度です。法律家の考える刑の程度は民意より軽いようです。
裁判員制度自体が適切かはここでの議論ではないので、おいておきますが、少なくとも法律家は、民意とかけ離れた狭い世界にとらわれないようにないように十分に配慮する姿勢は忘れたはならない気がします。


そういう点から考えれば、やはり死刑は維持すべきではないかと思います。

2014年04月02日 12時45分

回答番号 579
投票:死刑制度は廃止すべき

 すでに死刑制度を廃止している国々は、廃止をした当時、必ずしも「死刑を廃止しよう」という意見が国民の多数意見を占めていたわけではないそうです。死刑を残そうという意見も根強い中で、それでも、死刑制度に問題が多いことから、廃止に踏み切ったわけです。
 「民意」「多数意見」を尊重すべきことは確かですが、多数決によって奪うことのできない「人権」を守るという観点も必要だと思います。

2014年04月02日 13時17分

回答番号 581
投票:死刑制度は廃止すべき

廃止すべきと考えます。
特に、えん罪の可能性は見過ごせません。検察や裁判所の過ちで無実の罪の人に有罪判決が下されることがあるのは、世界中の歴史が証明しています。万に一つも、無実の人が国家によって殺害されるような制度はあってはならないと思います。
被害者やご遺族などが犯人の死を願う気持ちはもちろん理解できるのですが、さっさと死刑になればその苦しみが消えるのかというとそういうものでもないと感じます。
死刑になることを願って無差別殺人を起こす人もいるので、死刑制度に凶悪犯罪の抑止効果はあまりないと思いますし。
難しい問題なので、様々な意見があってよいと思いますが…。

2014年04月02日 13時24分

回答番号 582
投票:死刑制度は廃止すべき

「死刑」は、憲法36条が絶対的に禁止している「残虐な刑罰」に該当し、廃止すべきである。刑罰には、かつて、腕を切り落とす、足を切り落とすといった身体に損傷を与える「身体刑」があったが、これは「残虐な刑罰」として克服された。今、このような「身体刑」を復活させ得ないことに、何人も異論はないだろう。「死刑」は、身体に損傷を与え、その結果として生命を剥奪するものであるから、究極の「身体刑」である。「死刑」以外の「身体刑」が「残虐な刑罰」として許されないなら、「死刑」はそれ以上の理由によって許すことはできないと考えるのが、通常の理性を備えた人の見識というべきだろう。我々が「腕を切り落とす」ことの「残虐性」を感得できるのに、「生命を奪う」ことの「残虐性」を感得できないのは、処刑され死体となった受刑者の姿を想像の埒外に放逐するからである。それは受刑者の立場に立って想像力を働かせていないことを意味する。受刑者の立場に立てば、「腕を切り落とされる」ことよりも「生命を奪われること」の方が、遙かに熾烈な「残虐性」を感じる筈である。もし、「1人の殺人には片腕を切り落とし、2人の殺人には両腕を切り落とし、3人の殺人には死刑を科す」とい刑罰制度があったとすれば、その刑罰制度は一定の合理性を有するだろう。このように「死刑」を存置させるのなら、「死刑」以外の「身体刑」も復活させるのでなければ、不合理である。「そのようなことはできない」というのなら、「死刑」は直ちに廃止すべきである。「死刑」以外の「身体刑」を廃止しておきながら、「死刑」=「究極の身体刑」のみを存置させておくというのは、不合理極まりないというべきである。

2014年04月02日 15時22分

回答番号 584
投票:どちらでもない

基本的には、立法政策の問題に過ぎないと思います。

もっとも、私の愛する人が無惨に殺されれば、犯人には死刑になってほしいと考えるところですので、心情的には存置派です。

他方で、刑事裁判の「有罪ありき」の姿勢や冤罪の恐れを理由にした廃止意見も、弁護士としては大きく肯けます。

ゆえに「どちらでもない」に一票です。

2014年04月02日 16時37分

回答番号 585
投票:どちらでもない

仮に冤罪が起きないとしたら、死刑制度はある程度の必要性があります。

被害者多数の殺人罪、犯情のよくない強盗殺人罪などでは無期懲役では軽すぎるというケースは十分あり得るからです。

釈放されることのない終身刑や100年以上の懲役刑が死刑制度に明らかに勝っているともいえないように思います・

しかし、実際には冤罪がしばしば生じます。
死刑執行後に冤罪であることが発覚することは絶対に避けなければいけません。
もっとも、このあたりは無罪推定の原則の徹底、取調べの可視化、逮捕勾留の運用の厳格化、否認事件における再審にそなえた刑の執行停止の柔軟な運用、等によって解決すべき問題であるようにも思われます。

ゆえに、どちらでもないとしておきます。

2014年04月02日 19時19分

回答番号 588
投票:死刑制度は廃止すべき

理由は、死刑が人の更生可能性を完全に否定し、社会復帰を認めないものであるからです。人は、間違いを犯す生き物である一方、変わることができる生き物でもあります。どんな凶悪な罪を犯した者であっても、更生する可能性はあり、社会復帰を前提とすべきだと思います。
その意味で、死刑の代替刑と考えられている終身刑にも反対です。

2014年04月02日 23時01分

回答番号 590
投票:死刑制度は廃止すべき

死刑は廃止すべきであると考えます。
再審事件のように、真実と異なる判断がされた場合に、死刑で処断された後では、取り返しがつきませんから、死刑は廃止すべきです。
その他、人道的見地からの死刑廃止論もあり、また死刑執行人の苦痛、執行方法の苦痛等、人間として耐えがたい苦痛を味わう点においても、死刑は野蛮な刑罰であると考えられ、廃止すべきでしょう。
ただし、人を殺しても、犯人の命は保証される、という点で、凶悪犯罪の防止に、重大な欠点のある刑法となりますから、これをどのように埋め合わせるかは、なお検討の余地があります。

2014年04月03日 03時38分

回答番号 591
投票:死刑制度は廃止すべき

死刑は、国家による殺人です。殺人は、正当化できません。
しかも、司法制度、裁判により、「真実」を発見できる保障はなく、裁判には、常に冤罪のリスクがつきまといます。
さらに、被害者が厳罰を望むとの認識は誤っています。適切な支援を受けた被害者は、必ずしも、厳罰は望まないと思います。
加害者、被害者をともに支援し、それぞれの痛みに向き合うのが、司法として、あるべき姿であり、死刑により、問題を解決したことにするのは、問題の本質の隠ぺいにすぎません。

2014年04月03日 08時02分

回答番号 592
投票:死刑制度は廃止すべき

他の方がご指摘されているとおり、
死刑制度は、無実である可能性がある人を殺してしまう制度かと思います。

これまでの日本の司法制度は、無実であっても捜査機関から自白を強要され、
また、その強要されている際の状況を捜査機関は記録に残さないという問題を
ずっと抱えてきているからです。

取調べの完全可視化が達成されれば、このような状況は変わると思います。
そうでなければ、死刑制度そのものは、廃止すべきと考えます。

2014年04月03日 11時06分

回答番号 594
投票:死刑制度は存置すべき

死刑制度は存置されるべきだとずっと思っていました。今でももっぱら理念的にいえば、死刑制度は存置されるべきであると考え上記投票をしました。ただし、死刑廃止派の多くが言われるように、死刑事案においてもえん罪のおそれがないとは言えない(それどころか、現実に複数の再審無罪事案が存在している)ことを考えると死刑制度は極めて危険な制度であることが銘記されなければならない。とりわけ鳩山元法相の「ベルトコンベヤー発言」や森元法相が(私には詳細はわかりませんが)飯塚事件であの時期に執行に踏み切ってしまったことなどから現在の運用に懸念も感じます。人間の判断に絶対がない以上、死刑の執行には原則として死刑囚本人の同意が必要というくらいの慎重な制度にしてもいいかもしれません。一方で、えん罪のおそれ以外の理由を掲げる死刑廃止派の主張には到底納得できません。ある一定の悪行を行った者に対し、当然命をもって償わせるべき場合はあるというのが大和民族の素朴な正義感、倫理観に合致すると考えます。

2014年04月06日 23時07分

回答番号 599
投票:死刑制度は廃止すべき

死刑は、誤判の場合、取り返しがつかないという意味で致命的であります。一般的に、人間の判断には誤りが避けられない、という問題もありますが、もっと心しなければならないことは、わが日本の刑事裁判手続きにおいて、「疑わしきは被告人の不利益に」という裁判の現実があることであります。
 その前提として、まず、捜査当局による証拠捏造、隠蔽の現実があります。大阪地検検事による証拠捏造の事件は記憶に新しいところです。捜査当局による証拠隠蔽の代表的な事件が、松川事件における、検察官による“アリバイ証拠の隠蔽”です。一審、二審と死刑判決を受けた被告人が、その日時に労使交渉に出席していたことを示す「諏訪メモ」を、副検事が転勤先に持って行って隠蔽したという事件です。上告審で、弁護側の証拠開示申立を受けた最高裁の提出勧告によって、検察側からやっとこの諏訪メモが提出され、被告人は、死刑から無罪への逆転判決になったという事件であります。
 次に、誤判の問題です。現実に、刑事事件を扱う裁判官の多くは、人間的にも信頼でき、誠実である裁判官が少なくないと信じています。しかし、今回の袴田事件における第一審死刑判決から最高裁の上告棄却、そして再審における軌跡をみても、誤判というのには、余りに裁判官の検察側に対する認識の甘さ(予断と偏見)が浮き彫りになっていると思われます。99%有罪率などという日本の刑事裁判の現実は、憂うべきことと言わなければなりません。
 さて、死刑に関する国際的動向についてみますと、自由権規約第2選択議定書(死刑廃止議定書)が1989年12月に国連総会で採択されてから、世界の多くの国々が、死刑制度を廃止ないし死刑執行を停止しています。死刑制度を全面廃止した国の数は、1991年の48か国から2010年の96か国にまで推移していると報告されています。
 そして、2007年5月、国連拷問禁止委員会は日本に対し死刑執行停止を求める勧告を行っています。日本は、国際人権規約を批准していますし、国連人権理事会の理事国を務めています。このような国際的動向に鑑みましても、死刑制度の廃止が待ったなしになっていると考えます。

2014年04月07日 11時09分

回答番号 600

編集後記

弁護士ドットコムニュース編集部

アンケートで回答した31人の弁護士のうち、70%にあたる20人が、<死刑制度は廃止すべき>と回答した。一方で、<死刑制度は存置すべき>という意見は8人が選択。<どちらでもない>という意見は5人だった。


8割を超える国民が支持しているとされる日本の死刑制度だが、弁護士の回答には<死刑制度は廃止すべき>という声が多かった。なかでも目立ったのは、「冤罪(えんざい)によって死刑となってしまったら取り返しがつかない」という声だ。


政府が2009年に実施した世論調査では、86%が「場合によっては死刑もやむを得ない」と答えており、国民全体のなかでは、「死刑制度を存置すべき」という声が強いのが現状だ。今回の弁護士に対するアンケートの結果は、そのような状況と異なるものといえる。


たしかに、自分の大切な人を無惨に殺されたりすれば、犯人に死刑を望むのは心情的に当然のことだろう。しかし、袴田事件が示唆するように、冤罪によって、無実の人が死刑になってしまう可能性は否定できない。


死刑という「究極な刑罰」が本当に必要なのか。このテーマは、何度も繰り返し、問い直されるべきではないだろうか。