6月からスタートした西口竜司弁護士の連載コラム「熱血・西口弁護士のなんでやねん事件簿」。弁護士のあるある話から、実際にどうやって弁護士に相談すれば良いのかまで、弁護士を身近に感じてもらえるような内容をお届けします。
今回は西口弁護士に、弁護士に何を相談していいのか、相談する場合何を準備すれば良いのか、といった質問に答えてもらいました。
●お悩みの一部でも解決できる存在が弁護士
こんにちは、弁護士の西口竜司です。悩んでいることはあるけど、弁護士に相談するのは金銭面、精神面でハードルが高いというお話をよく聞きます。
これは私たちがしっかりとアピールできなかったことが原因なのかもしれません。まず、はじめにお伝えしたいことは、お気軽にお越しいただき、相談料についてもご相談くださいということです。
世の中には様々なお悩みを抱えておられる方がおられます。誰に相談していいのか分からないで苦しんでおられる方がおられます。
すべてのお悩みにお答えできるなんて言いませんが、あなたのお悩みの一部でも解決できる存在、それが弁護士です。弁護士が関与する案件につきましては、早ければ早いほど解決のための選択肢が多いという場合があります。
例えば、交通事故という人生で滅多に体験しないような事件に巻き込まれ、怪我をしているとします。手続きの流れも知らないので、どうすればいいのかよく分からないと思います。
そんなときに交渉相手として出てくるのが保険会社の担当者です。保険会社の担当者の方は、あの手この手で「そろそろ治療を中止しましょう」と言ってこられます。
私の経験ですが、それなりの方が保険会社の方のいう通りにされてしまっているようです。「痛みが残っているのに。弁護士に相談されればよかったのに」と思ってしまう瞬間です。
まずはご相談をください。弁護士ドットコムもそのような皆様がお気軽に弁護士を活用できるようにするものなんですね。
●どんな内容を相談できるの?
——具体的にはどのような内容を相談できるのでしょうか?
まず、借金の問題、離婚の問題、相続の問題、交通事故の問題等は多くの弁護士が扱うテーマになります。もちろん、弁護士によって専門性はあります。
他方、医療関係、建築関係、不動産関係等問題はそれなりに専門性が高く、取り扱う弁護士とそうでない弁護士に分かれてきます。このような専門性の高い分野については専門的に扱っている弁護士に依頼される方がいいかもしれません。
ちなみに、私の事務所では各弁護士が分業をしており、様々な分野を取り扱っていますが、私自身は中小企業の法律・経営相談、知財分野、寺院や介護事業所のサポートといった分野を扱っています。こういった分野では経験があるので、スムーズに対応できます。
他方で、苦手な分野は多々ありますので、そのような分野は得意な先生にお願いすることもあります。
結論からすると、テーマについてはあらゆるテーマのご相談が可能だということです。
●自分の目でどんな弁護士かを確認して
——弁護士はどうやって探せばいいですか。
知り合いの方に紹介して頂くのが無難ですが、そのようなツテがない場合、インターネットで検索をすることになります。HPでは様々な専門性をうたっていますが、実のところ正しいかどうかは分かりません。
大事なことは自分の目でどんな人かを確認することです。だいたい電話をしてお話すれば分かります。自分の話をよく聞いてくれるなと思う先生を選んでください。
——どのように連絡をすればいいんですか?
メールでもいいのですが、できれば電話をして直接声を聞いて下さい。
——相談までに、何を準備すれば良いでしょうか。
事前に相談内容をまとめて頂けるとスムーズです。どうしても当日の相談で緊張してしまい、伝えるべきことを伝えられない可能性があります。もちろん、緊張などされる必要はありません。私たちにとって相談者様はお客様ですから、真摯にお話を伺います。
——無料相談はダメですか?
全然ダメじゃありません。最近は初回は無料で相談をされる先生も増えています。
また、有料と書いていても、法テラスを利用できる場合は無料になります。交通事故の場合、弁護士特約を活用することにより相談料が不要になる場合もあります。
——実際に依頼するかどうかは、一度弁護士に会ってから決めて良いのでしょうか。
実際に面談をして頂き、しっかりとご自身の話を聞いてもらい、信頼できると思えばご依頼してください。その際、大事なことは、明朗会計であること(見積書を作成してもらいましょう)、契約書を作成することです。
あとは弁護士に委任して頂き、弁護士が頑張ることになります。
●相談はできる限り早い方が良い
——トラブルが起こってから、いつ相談すべきですか?
先ほども書きましたが、できる限り早くご相談ください。例えば最近ニュースでも取り上げられていますが、終活に関する問題は早ければ早いほど良いと思います。認知症になってしまってからでは選択肢が狭まってしまいます。
早い段階であれば、相続対策として遺言書を作成し、生命保険の活用もできますし、生前の対策として、財産管理契約の締結、任意後見契約の締結、民事信託の設定などができます。
弁護士は、皆さんの強い味方になります。小さいことでもいいですから、ご相談ください。
最近のお話しであれば、企業様が借金のため破産したという案件で、破産しなくても私的整理という方法で立ち直るチャンスがあることをお伝えし、会社を再建されたというものがあります。これは早くて良かったんです。勇気をもってお越しいただいたことが上手くいったのです。
今回はすごくお堅い感じで書かせて頂きましたが、最後にお伝えしたいことは、一人で悩まずに相談をして下さい。頑張りますということです。ありがとうございました。