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無給で司法修習「谷間世代」に一律給付を 与野党議員30人超が熱いエール
ビギナーズネットの共同代表でもあった山添議員。運動により修習開始直前に給費制が1年だけ延期された(2023年5月23日)

無給で司法修習「谷間世代」に一律給付を 与野党議員30人超が熱いエール

司法修習にあたり国から給与が支給されなかった「谷間世代」に対する一律給付の実現に向けた日弁連主催の意見交換会が5月23日、参議院議員会館で開かれ、与野党の法務部門の責任者ら30人以上の国会議員が出席し、応援のメッセージを寄せた。

弁護士でもある自民党法務部会長の宮崎政久議員(衆)は、修習期によって給付金が支給されなかったことを不公正・不公平と表現。一方で現実面では法制度上の難しさもあるとして、「明日すぐ結論を出せるわけではないが、きちんと取り組むことを約束したい」と話した。

同じく弁護士でもある社民党の福島みずほ議員(参)は、子どもが谷間世代の弁護士で貸与金を利用していたという。宮崎議員と同じく、「いつ合格したかで違いが出るのはアンフェアだ」と力を込めた。

●山添議員「国が二重の不作為」

谷間世代は2011年から2016年までに司法修習生となった世代(新65~70期)。全法曹の4分の1ほどに相当する約1.1万人いる。司法修習中は兼職・兼業が原則禁止されているため、多くが国からの平均約300万円の貸与金を利用した。

給費制は2017年、若手法律家らでつくるビギナーズ・ネットの働きかけなどにより金額を減らす形で復活したが、谷間世代にさかのぼって支給されることはなかった。

日弁連は谷間世代への一律給付を目指しており、今年3月末時点で与野党を問わず、国会議員の過半数を超える371名からの応援メッセージが届いているという。

日弁連の小林元治会長は、「谷間世代は見捨てられた世代ではないかということで、経済的にだけでなく、精神的なダメージを受けながらも日々、さまざまな公益活動に頑張っている」とあいさつし、谷間世代にメッセージを送り、支援することの必要性を訴えた。

日弁連の試算によると、減額後の金額で給付する場合、必要な予算は193億円程度だという。谷間世代問題の対策本部長代行を務める新里宏二弁護士は、この日を「制度を具体化する出発点に」と訴えた。

議員からはこのほか、ビギナーズ・ネットの初代共同代表のひとりだった共産党の山添拓議員(参)が、「谷間世代を生み出したのは政治の責任。未だに解決できないというのは、政治が二重の不作為を犯していると言っても過言ではない」などと発言した。

立憲民主党や日本維新の会、公明党、国民民主党の議員も出席してあいさつをした。

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