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著作権
2014年07月28日 12時01分

伍代夏子さんが「無断転載」で謝罪・・・ネット上の「写真」を使うときのルールとは?

伍代夏子さんが「無断転載」で謝罪・・・ネット上の「写真」を使うときのルールとは?
イメージにピッタリの画像が見つかっても、実際に使うかどうかはよく考えたい

「お恥ずかしい話、ワタクシは今の今までウェブ上にある画像は自由に使っていいものだと思っておりました」。歌手の伍代夏子さん(52)がブログで画像を無断転載していたことを謝罪し、当面閉鎖することを発表した。釈明コメントをブログに残している。

報道によると、6月7日に公開した「タラコのおむすび」(削除済み)で、伍代さんは「お弁当作り」として卵焼きの写真をアップしたが、別のサイトにある写真と酷似していたという。伍代さんはブログで「実際、思い道りの写真が撮れなかった時などは、書いた記事のイメージに合った写真をわざわざ探して載せていたのですが・・・」とつづっている。

今回、伍代さんは、特に意識することなく写真を盗用していたようだが、個人でブログを書くとき、ネット上に出回っている画像や文章を使っている人もいるだろう。著作権の観点から、最低限守るべきルールにはどんなことがあるのだろうか。著作権の問題にくわしい唐津真美弁護士に聞いた。

●素人が撮った写真も「著作物」なのか?

「ネット上で公開されている文章や画像を無断で利用することは、広く行われているように見えます。しかし、まずは、『他人の文章や画像を無断で利用してはいけないのが原則』と覚えておいてください」

唐津弁護士はこう述べる。なぜ無断で利用してはいけないのだろうか。

「文章や、絵画やイラストなどの画像、それに写真も、著作物に該当する可能性が高いからです。他人の著作物である文章や画像を自分のブログにアップしてしまうと、その時点で著作権(公衆送信権)の侵害になるのが原則です」

料理の写真や風景写真なども著作物にあたるのだろうか。

「こうした写真は著作物ではないと思っている人がいるかもしれません。しかし、写した人の思想や感情が創作的に表現されていれば、写真自体が著作物として保護されるのです。『写っているものが何であれ、写真は著作物』と思っておいたほうが安全でしょう」

●「フリー素材」でも使い方には注意が必要

では、ネット上の文章や写真を勝手に利用したら、すべて「アウト」ということなのか。

「そういうわけではありません。直接了解を得ていなくても、利用できる場合はあります」

それはどのようなケースか、唐津弁護士が説明する。

「まず、権利者から使用を許諾されているとみなすことができる場合です。たとえば、インターネット上で『フリー素材』などの名称でアップされている画像を利用する場合がこれにあたります」

「フリー素材」であればどのような使い方をしても問題ないのか。

「いえ、『フリー』といっても、通常は著作権が放棄されているわけではありません。一定範囲の利用を無償で許諾しているだけです。ですから、利用にあたっては許諾条件を確認する必要があります。

たとえば、画像をそのまま使うことが条件となっている場合、加工して使用することは認められないでしょう」

「フリー」といっても、利用には注意が必要というわけだ。

●引用する場合にもルールがある

唐津弁護士は、「フリー素材」以外にも利用が可能なケースについて説明する。

「著作権法で認められている場合ですね。代表的な例は『引用』です」

出典を明記すれば、利用してよいということだろうか。

「それだけでは足りません。『引用』と認められるためには、報道・批評・研究などの正当な目的に必要な範囲であることに加えて、自分が制作する著作物が『主』で、引用される部分が『従』であることも必要です。

たとえば、他人の論文を不必要な箇所まで長々と転載して、『私もこの論文の見解に賛成である』と一言だけ添えているような場合は『引用』と言えないでしょう」

ここまでは著作権の話が中心だったが、著作権の問題をクリアすれば自由に使えるのだろうか。

「著作権法で認められていれば大丈夫とは限りません。著名なキャラクターやブランドのロゴや商品の画像を利用すると、使い方によっては商標権侵害や不正競争防止法違反になる可能性もあります。

特にビジネス目的で利用する場合、判断に迷ったら、掲載を控えるか、専門家のアドバイスを求めることをお勧めします」

唐津弁護士は、こう注意を促していた。膨大な文章や画像に、手軽にアクセスできる時代だからこそ、うっかり他人の著作権を侵害しないよう注意したいものだ。

(弁護士ドットコムニュース)

唐津 真美弁護士
弁護士・ニューヨーク州弁護士。主な取扱業務はアート・メディア・エンターテイメント業界の企業法務全般。特に著作権等の知的財産権及び国内外の契約交渉に関するアドバイス多数。第一東京弁護士会・法教育委員会委員長、東京簡易裁判所・司法委員。
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