手術後の麻酔が残っている女性患者にわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪に問われた男性医師に対して、東京地裁は2月20日、無罪の判決を言い渡した。男性医師は一貫して「冤罪」を主張していた。
男性医師は2016年5月、東京都足立区の病院で、女性の乳腺腫瘍の摘出手術を担当したあと、全身麻酔から覚醒途中だった女性の着衣をめくり、乳首を舐めて吸うなど、抗拒不能に乗じてわいせつな行為をおこなったとして、準強制わいせつ罪に問われていた。
東京地裁は、(1)女性が麻酔による「せん妄」という状態だった可能性がある、(2)女性の乳首から男性医師のDNAが検出されたが、会話や触診などで付着した可能性があり、DNA鑑定の信用性に疑いがあるとして、犯罪の証明ができなかったと判断した。