女児の児童ポルノを所持していたとして、人気漫画「るろうに剣心」の作者、和月伸宏さんが11月21日、児童買春・児童ポルノ禁止法違反の容疑で警視庁に書類送検された。
読売新聞などの報道によると、和月さんは10月、都内の事務所で、10代前半の女児の裸が映った動画のDVDを所持した疑いがあるという。和月さんは容疑を認めて、「小学校高学年から中学2年生くらいまでの女の子が好きだった」と話しているという。ジャンプスクエアで連載中の続編は当面の間、休載になるという。
児童ポルノの単純所持は、具体的にどういう場合がアウトになるのか。例えば、Xvideosのようなストリーミングサイトで見ている場合もダメなのか。奥村徹弁護士に聞いた。
●「性的好奇心を満たす目的」の場合に処罰される
「いわゆる児童ポルノ単純所持罪(児童買春・児童ポルノ禁止法7条1項)は、 『自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持(または児童ポルノに該当する電磁的記録を保管)した者(自己の意思に基づいて所持(保管)するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る)』に対して、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金という法定刑を用意しています。
罰則の施行日が平成27年(2015年)7月15日ですので、それ以降の所持についてのみ適用されます。
『単純所持』というと、単なる所持が処罰されるようですが、『自己の性的好奇心を満たす目的』という要件がありますので、性的好奇心以外の所持、例えば医療用・研究用・捜査用・裁判用という所持は処罰されません」
「所持」というのはどういうことを指すのか。ストリーミングについてはどう考えればいいのか。
「所持の概念は、画像データを現実に支配しているかを重視しますので、ストリーミングについては、画像データが閲覧者の端末に一時的に記録される場合は、端末の記録媒体についての単純所持罪に問われる恐れがありますが、そうでなければ、単純所持罪に問われることはないと思われます」
どういう経緯で所持が発覚することが多いのか。
「単純所持罪の発覚の端緒は
(1)別件(盗撮等)で検挙されて、媒体を押収された
(2)販売者が検挙されて、押収された購入者リストを元に購入者宅を捜索した
という場合がほとんどです。
なお、児童ポルノの存在自体が児童性的虐待であるという思想(法3条の2)に基づき、児童ポルノを破棄させようとする趣旨ですから、警察に現認される前に処分しておけば、単純所持罪の関係では、検挙されることはありません」