教え子に対する性的姿態撮影処罰法違反(撮影)や個人情報保護違反などの罪に問われている学習塾大手「四谷大塚」元講師の森崇翔被告人に対し、東京地裁(鎌倉正和裁判官)は3月26日、懲役2年、保護観察付き執行猶予5年の有罪判決を言い渡した(求刑は懲役2年)。
判決などによると、森被告人は2023年、塾の校舎内で教え子の女児12人の下着などをスマートフォンで盗撮したり、四谷大塚の業務システムにアクセスして教え子の女児6人の氏名や住所などをSNSのチャットグループに投稿したりするなどした。
●裁判官「執行猶予の期間、ぜひ改善更生に向けて歩んでほしい」
鎌倉裁判官は「塾の講師という立場を利用して、被害者らが十分性意識を有しておらず警戒心がないのをいいことに、被害者らに下着が撮影しやすい体勢を取らせたり、教室で学習指導等に当たっているかのように装って、被害者らが無防備に下着をのぞかせたまま学習する姿などを撮影しており、本件は発覚しづらく、被害者らの性的自由を侵害する危険性が高い犯行であった」と指摘した。
そのうえで、ある被害者の両親に50万円を支払っていることや前科がないことを踏まえ、「直ちに実刑に処すのはためらわれ、再犯防止のためには専門機関の指導が必要と考えられる」として、保護観察付きの執行猶予判決にしたことを説明した。
そして最後に「執行猶予の期間、ぜひ改善更生に向けて歩んでほしい。それがこれだけの被害者に迷惑をかけたあなたの責任です」と説諭した。
これまでの公判では、森被告人が現在ハローワークを通じて得た仕事をしながら、小児性愛障害による衝動を抑えるためのカウンセリングに通っていることが明らかにされている。
森被告人は被告人質問で「最初はほんの出来心だった。(低学年の女の子は)マスクをしていたし、下着も写っていないので、私の中で(違法ではないと)言い逃れができると都合よく解釈していた」などと話していた。
判決が言い渡されたこの日、森被告人は裁判官のほうをじっと見つめ、読み上げられる判決文を時折うなずきながら聞いていた。