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くら寿司「客テロ」19歳男性は保護観察処分、今後自由に行動できる?
SNSで拡散された動画

くら寿司「客テロ」19歳男性は保護観察処分、今後自由に行動できる?

回転寿司チェーン「くら寿司」でしょうゆ差しを舐める様子を撮影しネットに投稿した男性ら3人が威力業務妨害の疑いで逮捕された事件で、名古屋家裁が3月17日、家裁に送致された男性(19)について、保護観察処分を決定したと報じられている。

回転寿司店では迷惑動画の撮影や投稿が相次いでおり、今回のケースは初の逮捕事案だった。共同通信(3月17日)によると、期間は2年間だというが、保護観察処分とは一体どういうものなのか。濵門俊也弁護士に聞いた。

●保護観察とは?

——保護観察について教えてください。

保護観察とは、少年を少年院や少年刑務所等の施設に収容せずに、社会内で生活させながら、保護観察所(実際には保護司)の指導監督の下、少年の更生を図る保護処分のことです。

少年に保護処分が下される場合、少年に対し、生活する上で守らなければいけないルールが定められます。それを「遵守事項」と言いますが、全ての保護観察者が遵守する「一般遵守事項」と対象者ごとに個別に定められる「特別遵守事項」があります。

一般遵守事項とは、すべての保護観察対象者が遵守しなければならないものです。具体的には、(1)健全な生活態度を保持すること、(2)保護観察官や保護司の呼び出し・訪問に応じること、(3)住所を定めて届け出ること、(4)届出をした住居に居住し、転居や旅行など住居を離れる場合には事前に許可を得ること、というものとなります。

特別遵守事項は、犯罪や非行に結びつくおそれのある特定の行動を禁止するなど、具体的に定められます。

家庭裁判所の決定により保護観察に付された少年は、原則として20歳に達するまで(その期間が2年に満たない場合には2年間)または保護観察が解除されるまで、保護観察官または保護司から、改善更生のために必要な指導監督及び補導援助を受けます。

2022年4月の改正少年法施行により、特定少年(18歳、19歳)は、保護観察の期間が6か月もしくは2年間の二択になりました。また、2年の保護観察期間を言い渡された特定少年が遵守事項に違反した場合は、家庭裁判所の決定により、少年院に収容できる制度も開始されました。

プロフィール

濵門 俊也
濵門 俊也(はまかど としや)弁護士 東京新生法律事務所
当職は、当たり前のことを当たり前のように処理できる基本に忠実な力、すなわち「基本力(きほんちから)」こそ、法曹に求められる最も重要な力だと考えております。依頼者の「義」にお応えします。

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