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2013年01月10日 15時18分

ストーカー被害、深刻な事件を予防するには

ストーカー被害、深刻な事件を予防するには

ストーカー犯罪による悲しい事件が後を断たない。2012年11月には、神奈川県逗子市で女性が元交際相手の男性に刺殺される事件が発生した。男性は1000件を超える嫌がらせメールを被害者の女性に送信していたが、神奈川県警はストーカー規制法違反で立件できないと判断し、同法違反容疑での事件化は見送られていた。ストーカー規制法は電話やFAX、つきまとい等によるしつこい行為を禁じているが、メールについては明記されていない。

すでに一部の自治体は条例を改正し、メールによる嫌がらせも規制の対象としているが、神奈川県は規制の対象にしていなかった。しかしこの事件を受け、県警は11月30日、メールによる嫌がらせなどを規制していない県迷惑行為防止条例の改正を検討していることを明らかにした。 

ところで、「ストーカー行為」とは何をもって認定されるのだろうか。「ストーカー行為等の規制等に関する法律」では、ストーカー行為とは、「同一の者に対し、つきまとい等を反復してすること」と定義されているが、それでは、どの程度の頻度でつきまとい等を繰り返すとストーカー行為に該当するのだろうか。刑事事件に詳しい萩原猛弁護士に話を聞いた。

●1カ月に3~4回でもストーカー認定された判例がある また回数に限らず、行為の内容も判断対象に

「ストーカー規制法は、『ストーカー行為』を同一の者に対し、同法2条が規定する8つの行為(つきまとい等)を『反復』してすることをいう、と定義しています。そこで、どの程度繰り返したら『反復』と評価されるかについて、一例をご説明します。」

「被告人が交際のあった女性に対し、携帯電話の着信拒否設定の解除などを要求する手紙4通を投函するなどをした事件について、東京高等裁判所は、『11月7日から12月17日ないし19日にかけ、4回にわたり手紙の投函等の行為を繰り返したもので、そのうち3回は12月中に行われた。同種事犯に比して多数回にわたるとは言えないものの、反復性の要件を満たしていないとはいえない』と判断して、ストーカー行為と認定しました(東京高等裁判所平成16年10月20日判決)。」

「この裁判例からすれば、1カ月間に3~4回繰り返せば『反復性』の要件を満たしたと判断される可能性が高いと言えるでしょう。もっとも、単に回数だけでなく、当該行為の内容、例えば手紙の内容が今後同種行為を繰り返すと受け取れるような言葉が記載されているか、といった点も考慮されます。その内容に照らせば、回数的には上記よりも少ない場合でも、『反復性』の要件を満たすと評価される場合もあるでしょう。」

もし、現在上記に当てはまるストーカー被害を受けていることが分かった場合、どのような手順で対処したらいいのだろうか。ストーカー行為をしている者の中には自分が犯罪を起こしている自覚が低い場合もあり、警察から警告を受けると逆上し深刻な事件に発展することもあり得る。相手を逆上させずに、円満解決に持ち込む方法はあるのだろうか。ふたたび、萩原弁護士に話を聞いた。

●手紙、電話録音などの証拠を保全し、随時警察に相談を

「普段から、個人情報の管理は慎重にしておくことが重要ですが、現にストーカー被害を受けていると感じたら、早期に警察に相談すべきでしょう。」

「様々なストーカーによる深刻な事件を経験して、警察もその対応に万全を期すよう配慮しています。一度相談した後も気になることがあれば、随時警察に報告したり、相手からの手紙・メール・電話録音等証拠を保全することにも注意し、保全した証拠は警察に提出しましょう。警察とスクラムを組むような気持ちで毅然と対応すべきです。」

「もちろん、自己防衛に努めることも肝要で、身近な人にも事情を話し、協力してもらいましょう。」

重度のストーカー行為を繰り返してくる者は、通常時の精神状態ではないことが多い。そのため、被害にあっていると自覚したら、自分一人で抱え込むことはせずに、随時警察に相談したり、周囲への協力を要請してほしい。

(弁護士ドットコムニュース)

取材協力弁護士

萩原 猛弁護士
埼玉県・東京都を中心に、刑事弁護を中心に弁護活動を行う。いっぽうで、交通事故・医療過誤等の人身傷害損害賠償請求事件をはじめ、男女関係・名誉毀損等に起因する慰謝料請求事件や、欠陥住宅訴訟など様々な損害賠償請求事件も扱う。

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