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2020年08月05日 10時00分

友人や同僚と「自炊書籍」回し読みはダメ? 注意点を整理する

友人や同僚と「自炊書籍」回し読みはダメ? 注意点を整理する
画像はイメージです(EKAKI / PIXTA)

書籍を購入してスキャナーで取り込む「自炊」は、スキャン技術の向上もあって、広く使われるようになってきた。ただ、自炊した書籍を自分だけでなく、誰かと「共有」する場合には、法的にアウトとされることがあると知っているだろうか。

弁護士ドットコムには、自炊行為に関する複数の質問が寄せられている。ある人の場合、「正規に購入した書籍を、裁断機とスキャナーでPDF化して記憶媒体に格納」したいと考えているそうだ。

その場合、どのような方法であれば法的に問題がないのだろうか。最所義一弁護士に聞いた。

●著作権法では「複製」に該当

ーー自分で読むために、自炊することは適法なのでしょうか

「自炊」すなわち、スキャナーで取り込む行為は、著作権法では、「複製」に該当します。

もっとも、著作権法上の「私的使用」(著作権法30条1項)目的の範囲内であれば違法ではありません。

「私的使用」とは、「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること」をいいますが、自らの書籍を、自分で読む目的での「自炊」行為は、通常は「私的使用」の範囲内といえ、適法な行為といえるでしょう。

ーー自炊した書籍をタブレットで表示し、その場で回し読みすることは適法でしょうか

表示させる行為は、それ自体「複製」にはあたりません。そのため、表示されたものを、その場で回し読みしたとしても、それだけでは、譲渡・貸与とはいえませんので、違法ではありません。

とはいえ、当初から社内で回覧することを目的として「自炊」した場合、「私的使用」の範囲内とはいえませんので、違法となります。

●メールやLINEでの知人への送信は「違法」

ーー自炊した書籍をメールやLINEで送信することは適法でしょうか

データを送信する行為は、新たな「複製」を伴います。

そのため、データ送信に伴う「複製」が「私的使用」の範囲内といえなければ、違法になります。この点、例えば、メールやLINEで送信する相手が知人等の場合には、「私的使用」目的での「複製」とはいえませんので、違法となるでしょう。

ーー自炊した書籍を格納した記憶媒体を友人に貸し出すことは適法でしょうか

たとえば、自炊した書籍のデータが保存されたUSBメモリ等を友人に貸す行為は、それが「私的使用」の範囲内に止まるものであれば、違法とはいえません。

もっとも、その友人が、家庭内に準ずる親密かつ閉鎖的な関係にあると評価される範囲の人でなければなりません。例えば、ネットのチャット等で知り合った直接の面識がないような人は、これには該当しないでしょう。

また、業務上の目的で使用するような場合には、そもそも「私的」使用には該当しないので、たとえ、会社の同僚が、親密かつ閉鎖的な関係にあったとしても、違法となるでしょう。

取材協力弁護士

最所 義一弁護士
東京大学農学部農業工学科(現生物・環境工学専修)を卒業後、IT技術者や病院事務職(事務長)を経て、弁護士に。一般企業法務や知的財産問題のほか、インターネット関連のトラブルの解決に精力的に取り組んでいる。

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