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未成年者に対する刑期の延長について賛成か反対か

未成年者に対する刑期の延長について賛成か反対か

今年9月、滝実法相が少年法改正案を法制審議会に諮問した。

改正案の内容は「犯行時に18歳未満だった少年の無期刑について、10~15年の有期刑に軽くできるとする現行規定の上限を15年から20年に引き上げる」、および「判決時に20歳未満の少年に3年以上の有期刑を言い渡す場合、短期の上限を5年から10年に、長期の上限を10年から15年に引き上げる」ものとされている。

この改正案の賛否について、弁護士ドットコムに登録する弁護士に賛否とその理由について意見を聞いてみた。

未成年者に対する刑期の延長を内容とする法改正案について、半数以上の弁護士は「反対」の見解を示す結果となった。

反対の立場からは、統計上では少年犯罪は減少傾向にあること、およびその内容が凶悪化しているともいえないという指摘があり、刑期の延長は少年法の趣旨に反するという意見も多かった。

一方、「賛成」の見解を示した弁護士の割合は3割強であったが、川崎弁護士、荒木弁護士が言及しているように、今回の改正案は未成年者に対する厳罰化というよりも、現行の法制度の不備の修正であるという見方もあるようだ。

インターネットの発達によって、昔に比べると個人がより様々な事件情報を知る機会が増えたと考えられ、その影響で人によっては未成年者による事件が増えているような感覚を抱くようになっても不思議ではないが、必ずしも統計上はそうではないということには注意したい。

今回の改正案は来年の通常国会への提出を目指しているとされるが、今後も様々な議論を呼びそうだ。

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