カラオケ店でバイトしていた時に、部屋のカメラで、性行為に及んでいる中学生や高校生たちを見つけて、親や警察に通報したことを打ち明けるエピソードがツイッターで話題になった。
ツイートによると、性行為を発見した場合、部屋の電気をいきなり付けて、「そっち行くから5分で服着ろ」と内線で伝えていたそうだ。結局、警察からビデオ撮影はやめてほしいと言われ、やめたそうだが、学生にとっては、親にバレて警察も呼ばれるという修羅場になった。
このツイートに対して、「普通に外から見えるのになんでするんだろうね」「学生ってお金ないからセックスする場所に困ってカラオケに行くんだろうなぁ」「警察も災難だな」など、様々な感想が投稿されていたが、カラオケ店で性行為に及ぶことにどんな法的問題があるのだろうか。岩沙好幸弁護士に聞いた。
●公然わいせつ罪が成立する可能性
「カラオケボックス内での性行為は、公然わいせつ罪(刑法174条)が成立し、6月以下の懲役や30万円以下の罰金などに処される可能性があります。
公然わいせつ罪は、公然とわいせつな行為をした場合に成立します。性行為が『わいせつな行為』であることは明らかなので、カラオケボックス内に公然性が認められるか否かが、今回のポイントです」
「公然」というのはどういう意味か。
「公然性とは、『不特定または多数の人が認識することのできる状態』をいいます。カラオケの廊下は、不特定または多数のお客さんが通る可能性があります。
また、お店にもよりますが、カラオケボックスのドアは透明な箇所が多くあり、ドアを閉めていたとしても廊下から中の様子を容易に見ることが可能です。そうすると、カラオケボックスの中は、不特定または多数の人が認識することのできる状態にあるといえ、公然性が認められる余地があります。
ですから、カラオケボックス内での性行為は、公然わいせつ罪が成立する可能性がありますので避けた方がよいでしょう」
中高生の場合は大人と扱いが違うのか。
「14歳未満は刑事未成年なので犯罪は成立しませんが、20歳未満は少年法が適用され、まずは家庭裁判所の処分を受けることになります」
岩沙弁護士はこのように話していた。