
共感する力と親しみやすさを強みに、離婚問題に注力
離婚や男女問題など身近なトラブルに力を入れる
ーー弁護士を目指したきっかけを教えてください。
法曹の世界を目指そうと決めたのは、大学3年生ごろでした。将来は「手に職をつけたい」「子育てしながらでも続けられる仕事がしたい」と考え、そのために資格が必要だと感じたのです。ちょうどロースクール制度がはじまるタイミングだったことも後押しし、司法試験を目指そうと決意しました。
ーー現在の注力分野や取り扱い分野を教えてください。
特定の分野に注力しているわけではありませんが、離婚や男女問題を中心に、特に女性からのご相談を多く担当しています。
離婚や男女問題は、日常生活の延長にある身近に起こる問題です。依頼者の話を聞いていると、それぞれに背景があり、考えさせられることもたくさんあります。誰にでも起こりうるトラブルであり、一つずつしっかり対応していきたいと思っています。
ーー依頼者のために心がけていらっしゃることはどんなことでしょう。
当然のことではありますが、依頼者の話をよく聞くこと、思いを受け止めることです。
トラブルを抱えている方は、相談できる場所や話せる相手がいないことが多いものです。特に夫婦間の問題は、友人や家族に相談できないという方もいます。そんなとき、法律の専門家である弁護士が、まず話を聞いて受け止めてあげることは大切なことではないかと考えています。依頼者が身構えずに話ができる雰囲気を意識して、依頼者の思いをしっかりと受け止めながら接するように心がけています。
ーー先生ご自身が思う「強み」とは、どんな部分ですか?
「話しやすい」ところでしょうか。普段から「話しやすい」とよく言われます。「信頼できるママ友に相談しているように安心して相談できました」と言っていただいたこともあります。
もうひとつは「共感力」だと思います。私自身も子育てをしているため、離婚問題について依頼者の悩みに共感できることが少なくありません。
たとえば、離婚問題の相談を受ける中で、子どもとの面会交流はよく話題にのぼります。離婚後に面会交流を実施していく中で、離れて暮らしていても子どもとの継続的な関係を築いていくために何が必要かなど、アドバイスを求められることがよくあります。
依頼者の思いに共感しつつも、弁護士として一歩引いた立場から冷静に判断してアドバイスすることを心がけています。
元気になっていく依頼者の姿を励みに
ーー印象に残っている事件やエピソードを教えてください。
弁護士になって間もないころにあった、ドメスティックバイオレンス(DV)に関する依頼が印象に残っています。
試行錯誤しながら取り組みましたが、DVを受けた時期から時間が経ってしまっていること、危険な時期は既に過ぎているという裁判所の判断で、こちらが望む結果を得ることができませんでした。
このとき、弁護士に相談をするタイミングはとても大切で、早ければいろいろな手段を使えることを改めて実感しました。これはどの分野も同様で、遅くなっていいことはありません。
依頼をするかは別として、早い段階で弁護士に相談することで、この先の見通しを知ることもできます。弁護士として私も時間を大切に活用しながら、よりよい解決を目指していきたいと思っています。
ーー弁護士をされている中で、嬉しいと思う瞬間はどんなときでしょう。
依頼者がだんだんと元気になっていかれる姿が見られるときです。依頼があったときと比べると、表情が明るくなり、服装や話し方も変わっていきます。元気になるといろいろなことを話してくれるようにもなり、その変化を見て私も嬉しくなります。
「法律問題なのかわからないという状態でも構いません。迷わず相談を」
ーー休日の過ごし方や趣味を教えてください。
子育てが中心で、休日はよく子どもと一緒に出かけています。子どもが好きなことに付き合うことが多く、公園や工作ができる体験施設などによく出かけています。
趣味と言いますか、ハマっているのは、棋士の藤井聡太さんです。将棋はささずに見るのが専門。親子で将棋番組を見て楽しんでいます。
ーー今後の展望を教えてください。
これまでコツコツと取り組み、今に至っていますので、今後も同じ姿勢で続けていきたいと思います。目の前の事件に一つひとつ誠実に向き合っていきたいです。
ーー最後に法律トラブルを抱えて悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
とにかく早く相談に来ていただきたい、というのがやはり一番ですね。
先ほども触れましたが、相談に来ていただくのは早いにこしたことはありません。コトが起こってから相談までの期間が空けば空くほど、とれる手段が狭まっていく可能性があります。法律問題なのかわからないという状態でも構いません。弁護士にお話いただくことで、スッキリし安心できるのかなと思います。