労務問題に注力し、企業の利益を守るために最善を尽くす
人生を見つめ直して司法試験受験を決意
ーー法律家を目指したきっかけや理由についてお聞かせください。
はじめから法律家を目指していたわけではなく、大学卒業後はファーストフード店に就職しました。しかし、夢や目標を持って就職したわけではなかったため、仕事にやりがいを見つけることができず、半年ほどで退職してしまったんです。
会社を辞めた後に自分の人生を見つめ直し、将来のことを真剣に考えました。高校までは野球に熱中していたのですが、大学に入ってからは何かに打ち込むこともなく流されるままに生活してしまっていたので、必死になって取り組めることに挑戦しようと思い、難関試験である司法試験を受験することにしたんです。
それまで法律の勉強などしたことのない私が突然「司法試験を受験する」と言ったものですから、両親をはじめ周囲の人間は驚いたと思います。
ゼロからの挑戦は苦労も多かったですが、無事に合格することができ、心配をかけた両親にもいい報告をすることができました。
ーー法曹三者の中で弁護士を選んだのはなぜですか?
司法修習で裁判官、検察官、弁護士の仕事を経験してみて、自分の性格に合っているのが弁護士だと思ったからです。
裁判官のようなジャッジをする立場にはなれないと思いましたし、検察官のように白黒はっきりさせることにも共感できませんでした。そんな中、弁護士の仕事から受けた印象は「調整をする仕事」ということでした。
一般的に「依頼者のために戦う」のが弁護士のイメージだと思うのですが、実際の職務では和解のための交渉など調整役になることが多い気がします。事実、弁護士になってから受任した事件の7割から8割は和解で解決しています。
依頼者と相手方の間に入って調整役を務めることが、自分の能力をもっとも活かせる仕事ではないかと思い、弁護士の道に進む決断をしました。
ーー注力分野をお聞かせください。
企業側に立った労働問題に注力しています。
企業が強くて労働者は弱い立場だというのが世間の認識だと思います。労働法も労働者を保護することを目的に定められています。しかし、実際に労働問題を扱ってみると、必ずしも労働者だけが弱い立場ではないということがわかりました。
企業は問題のある社員であっても簡単に解雇をすることができません。問題行動を是正しようと指導を行えば、社員からパワハラだと訴えられる可能性もあります。
そのような相談を受け、職務を通じて企業の労務問題に取り組むうちに、企業側にも法的なサポートは必要ではないかと思い、企業側に立った労働問題に注力するようになりました。
話を聞くことが納得を得ることに繋がる
ーー仕事をする上で心がけていることを教えてください。
当たり前のことですが、依頼者の話をきちんと聞くことを心がけています。仮に話をすべて聞いて出した答えと、少ししか聞かずに出した答えが同じだとしても、依頼者の納得度は違います。
答えを出せばいいということではなく、依頼者が納得できる答えを出すことが必要ですから、依頼者の話は最後までしっかり聞いて、納得していただけるように心がけています。
ーーどんな時にやりがいを感じますか?
事件を解決して、依頼者から感謝していただいた時に弁護士をやっていてよかったと思います。また、過去に担当した事件の依頼者から近況報告などをいただいた時もうれしいです。
先日も、数年前に家事事件の依頼をされた方から連絡をいただきました。その事件は、依頼者の望む結果が得られたとは必ずしも言えない事件でした。それにもかかわらず連絡をいただいたということは、その時の努力や行動を依頼者が認めてくれたからだと思います。
弁護士にとっては数ある事件の中の一つだとしても、依頼者にとっては人生の大きな出来事です。その大事な瞬間に関わり、最善を尽くした結果に感謝していただけることは弁護士冥利に尽きます。
企業の利益を守るために貢献したい
ーー趣味や休日の過ごし方について教えてください。
趣味はゴルフです。ゴルフ場には多い時で月に1回行ってます。理想としては週に1回は練習に行きたいのですが、子どもがまだ小さいものですから、休日は子どもの面倒を見ていることが多いです。
子どもと過ごす時間は、仕事のストレスを忘れさせてくれてリフレッシュになっています。最近言葉を覚えはじめてしゃべるようになったので、話をしているだけで楽しい気持ちになります。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
企業と労働者との間で裁判になった時、企業側が負けることが少なくないのですが、それを変えられる弁護士になりたいと思っています。
不当な解雇をすれば企業が負けるのは当然です。ですが、正しい手続きで解雇をすれば、裁判所は解雇は有効だと認めてくれます。問題はそうした知識を企業が持っていないことです。
紛争が起こらないことが一番ですが、紛争になったとしてもルールに則っていれば裁判で負けることはありませんので、正しい知識を伝えて、企業の利益を守ることに貢献したいと考えています。
ーー最後に、トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
話をすることが悩みを解決する第一歩だと思います。弁護士に相談するのはハードルが高いと思われる方もいらっしゃると思いますが、気軽に話をしていただければと思います。