
縁の下の力持ちとして依頼者をサポート「悩みは弁護士に預けて、自分のために時間を使ってほしい」
父を助けたいという思いを原動力に弁護士の道へ
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
きっかけは父の仕事です。父は名古屋で不動産会社を経営していて、賃料の督促や明け渡し請求など、日々、様々なトラブルへの対応に追われていました。裁判に発展するケースもあったようです。父が苦労する姿を見るうち、子どもながらに、「少しでも父の役に立ちたい」と考えるようになりました。
このときはまだ、法律を学んだり、弁護士を目指したりすることには思い至っていませんでしたが、あるとき、父から「法律を使いこなせば、国が味方をしてくれる」と教わったんです。「お前も、自分を守るために法律の知識を身につけた方がいい」と言われたことで、法律に興味を持ちました。
法律のプロフェッショナルになれば父を助けられるかもしれないーー。そのように考えたことをきっかけに、弁護士になって父をサポートしようと決意しました。
父から弁護士を目指せと言われたことはありませんが、司法試験に合格し、弁護士になると伝えたときにはとても喜んでくれました。仕事を始めてから、父の会社の代理人として法廷に立ったのですが、きっと嬉しかったのではないでしょうか。私自身、父の役に立ちたいという幼い頃からの思いが成就し、胸がいっぱいになったことを覚えています。
依頼者の不安や悲しみを引き受ける
ーー注力分野を教えてください。
多く手がけているのは、企業法務と一般民事事件です。
企業法務は、顧問をしている企業から依頼をいただき、契約書の作成やリーガルチェック、調停・訴訟への対応などをおこなっています。特に力を入れているのは予防法務です。「この取引にリスクはないか」「契約書の内容をチェックしてほしい」というようにトラブルが生じる前の段階で相談を受け、紛争を回避するためのアドバイスをおこなっています。
一般民事では、弁護士を目指していたときから携わりたいと思っていた不動産関連の事件に力を入れています。不動産賃貸のオーナーからの依頼を中心に、建物の明け渡しや立ち退き請求といった様々な案件を手がけています。不動産以外では、離婚、相続、交通事故の依頼が多いです。
どの事件でも、なるべく裁判を起こさずに解決する方法を探るようにしています。裁判は時間も労力もかかり、お互いのなかにしこりが残ってしまいます。できるだけ話合いを通して当事者が納得できる着地点を見つけることを大切にしています。
ーー依頼者のために心がけていることはどんなことですか?
最近は弁護士がテレビに出演することが多くなり、弁護士ドットコムなどのポータルサイトも登場し、一般の方にとって弁護士や法律事務所は以前よりも身近な存在になったと思います。とはいえ、いざトラブルに見舞われたとき、弁護士のもとに相談に行くハードルはまだまだ高いでしょう。
法律事務所に電話をしたり訪問したりすることは、多くの方にとって一大決心を要することだと思います。まずは、勇気を持って一歩を踏み出した依頼者に敬意を表すこと。そして、じっくりと話を聞き、悩みや不安に正面から向き合って問題解決のために力を尽くすことを信条としています。
依頼者の多くは、怒りや悲しみ、不安などの感情で頭の中がいっぱいになっています。弁護士に依頼した後は、そのような感情を私たちに預けて、自身の生活や仕事に思いっきりエネルギーを注いでほしいんです。トラブルの解決は法律のプロフェッショナルに任せて、自身のために時間を使ってもらいたい。そのような思いで、依頼者一人ひとりに真摯に対応しています。
大好きな「海」にも仕事で関わる
ーーご趣味や休日の過ごし方を教えてください。
海がとても好きで、休日は釣りをしたり、船を眺めたりしながらゆったり過ごしています。
小型船舶の免許も持っています。免許取得にあたって海の交通法規を勉強したのですが、地上とは異なる海ならではのルールがとても興味深かったんです。「海についてもっと深く知りたい」と思い勉強を重ねて、海事代理士と海事補佐人の国家資格も取得しました。現在は海難事故に関する相談にも対応しています。
ーーラジオのパーソナリティをされていると伺いました。
はい。番組にゲストを招いて話を伺ったり、法律相談コーナーでコメントをしたりして、毎回楽しく収録しています。趣味であり仕事でもあるという感覚ですね。ラジオを聞いている方が事務所に相談に来てくれたこともありました。
縁の下の力持ちとして、依頼者を支えたい
ーー今後の展望を教えてください。
依頼者はいろいろなハードルを越えて弁護士のもとへ相談に来ます。普段なかなか接する機会がない相手と会う緊張感や、自分の悩みを打ち明けることへの抵抗を感じながら、思い切って訪ねてくださる方もいるでしょう。
まずはその勇気を受け止め、依頼者の話を伺い、これまで抱えてきた辛い気持ちや不安に共感します。そして、問題解決に向けて最善の方法を提案し、対応を進めていきます。
私が目指すのは縁の下の力持ちとして依頼者をサポートできる法律事務所です。今ある問題を解決し、依頼者が、事業やプライベートで自身の夢ややりたいことに突き進めるように。今後もひとつひとつの案件に丁寧に対応していきます。