舛本 行広 弁護士
ご相談後、まず行ったのは、会社からの説明内容、これまでの勤務経過、注意指導歴の有無、就業規則の内容などを丁寧に整理することでした。解雇の有効性が争点となる事案では、会社側が主張する理由に客観性があるか、その理由が解雇という重い処分に値するか、改善の機会が与えられていたかといった点が重要になります。そこで、相談者から関係資料を収集し、会社側の対応を法的観点から検討しました。その結果、本件では、会社側の説明に抽象的な部分が多く、具体的事実の裏付けや指導経過の整理にも不十分な点が見受けられました。そこで当事務所は、会社に対し、解雇理由の明示、雇用終了に至る経過の説明、未払賃金その他の精算関係の明確化を求める通知を行いました。その上で、解雇の有効性には相当程度疑義があること、安易な処理では紛争が長期化する可能性があることを指摘し、交渉を開始しました。交渉の過程では、相談者にとって、必ずしも元の職場に復帰することだけが最善とは限らないという現実的な問題もありました。既に信頼関係が大きく損なわれていたこと、今後の生活再建をできるだけ早く進める必要があったことから、法的な主張は維持しつつ、経済的補償を伴う解決の可能性も視野に入れて協議を進めました。最終的には、会社側も訴訟化のリスクや紛争長期化の負担を考慮し、未払賃金相当額や解雇をめぐる紛争解決金として相応の金額を支払う内容で合意に至りました。相談者は一定の補償を受けたうえで退職し、新たな生活に向けて動き出すことができました。
突然の解雇を争い、解決金の支払いを受けて退職した事例【労働者側】の
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