
島田 直行
島田法律事務所
山口県 下関市観音崎町12-10 太陽生命下関ビル5階インタビュー
島田 直行 弁護士 インタビュー

弁護士を目指したきっかけ
「自分でなにかを表現していきたい」という思いが強かったからです。私たちには、言葉、音楽、絵画あるいは技術などいろいろな表現方法があります。
自分の性格を冷静に判断したときに「法律を利用してなにかを表現する」ということに魅力を感じました。この社会では、人、物、金、情報が動くときには基本的になにがしかの法律が関与しています。そういった法律を自分なりの表現方法として利用できれば楽しいのではないかと素朴に感じていました。
現実的に法曹を目指そうと思ったのは大学1年生のときです。法曹の中でも弁護士を選んだ理由としては、組織ではなく自分でやりたいと思ったことからです。また、自分の依頼者と二人三脚で何かを表現できればいいと思い、弁護士を目指しました。
今までの経験と現在の仕事内容
これまでの仕事としては、個人に関するものとして交通事故、福祉関係及び相続関係が相対的に多かった印象があります。特に当事務所では、福祉分野における問題を総合的に対応するため職員として社会福祉士の方に勤務してもらっています。そのため成年後見人も複数担当しています。
日本全体が少子高齢化の中で、高齢者に向けた相談が増えています。相続だけでなく、色々な問題にワンストップが対応できるところがなかなかないので、そういったものができればみんなにとっていいのではないかと思い、私の事務所では福祉の分野に力を入れています。社会福祉士が事務所にいてワンストップで対応できる事務所は、まだそれほど多くはないのではないでしょうか。
中小企業に関しては、経営者の気軽な相談役として労働事件から事業承継まで幅広く対応しています。これは中小企業の経営者は、ときに「孤独」という発想があるからです。経営者は社長さんと言われれば響きはいいですが、会社がうまくいかなくなったらその人のせいになります。銀行からの借り入れには保証人になり、従業員の雇用を維持しなくてはなりません。
一見いいようでいて背負っているものが重過ぎ倒れそうなときに誰が支えてくれるのか、孤独に苛まれることもあります。そういった時になかなか相談相手がいませんので、なんでも気軽に相談できる立場の人がいてもいいのではないかと思い、私がその立場になれればと思っています。経営者とともに経営から家族のことまでともに悩みながら歩んでいます。
弁護士としての信条・ポリシー
「それぞれの解決策」ということです。私たちは、ある問題があると「答えはひとつ」と考えがちです。例えば数学の問題があれば、答えは正解か不正解しかないと無意識に感じています。
実際の社会では、答えがひとつということはありません。一見すると同じような法律問題でも当事者の資産も価値観も違います。それにも関わらず弁護士が一方的な答えを押しつけることは、依頼者に対して食材の好き嫌いを確認することなく料理を提供するようなものです。
必要なことは各当事者の置かれた状況を確認して「それぞれの解決策」を提供することです。早く終わらせたいというニーズもあれば、自分の意見を最後まで突き通したい、和解をしたいなど様々なニーズがあります。依頼者に何がメリットかデメリットかきちんと説明して考えてもらうということですね。
100%依頼が叶えばいいのですが、なかなかそうもいかないことが多々あります。全てのものにはメリットとデメリットがあります。デメリットも含めてしっかりと説明して一緒に考えるということを心がけています。こうした話の中では依頼者にとって厳しい見解を伝えることも多々あります。それでも私にとっては、そういった見解を伝えることが依頼者に対する真摯な態度だと考えています。
関心のある分野
関心があるのは、相続関係と中小企業の経営再建です。
相続は、遺産分割から税金問題までさまざまな法律が複雑に関わる分野です。そのうえで相続では、親族間での感情論もでてきます。そのため相続に関する事件は、複雑に絡み合った糸のような印象を受けます。
相続に関する問題を解決するためには、そういった複雑な糸をひとつひとつほどく過程が必要です。私としては、そういった複雑な事象がしだいに単純な事象に変化していく姿に好奇心を持っています。
次に中小企業の経営再建は、中小企業の経営者が元気であることが社会にとって重要と考えているからです。経営者が前向きであれば、働く人も前向きになっていきます。私としては、難しい話を抜きにして単純にみんなが前向きになればと思って中小企業の経営相談に関与しています。
特に同族中小企業の場合には、オーナー個人と会社が経済的に一体化しているなどの特徴があります。そのため企業の問題を検討する場合でも同族中小企業の特徴に見合ったサービスを提供していきたいと考えて日々模索しているところです。
印象に残っている案件(事件)
ある方が亡くなられて相続が発生した時に一番問題になるのは不動産です。不動産を分けることをどのようにみんなに納得してもらうかということがポイントになります。また、単に法律の条文通りに簡単に分けるのではなく、税金が安くなるとか色々な視点で問題を解決したいと日頃から思っています。
こうした関係である家族の方の相続の案件が印象に残っています。この案件では依頼者とじっくり時間をかけて遺言を書きました。時間をかけてゆっくりその人の思いを次の人に残せるように考えて遺言を書いたことは日頃の仕事の中でも印象に残ります。中小企業の社長さんが遺言を書くときも印象に残ります。経営者として事業を残していなかければいけないという経営的な側面と、それを誰に遺していくかという相続の面とが交差していくので深く印象に残ります。
今後の弁護士業界の動向
弁護士の人数が多いか少ないかは意見の分かれるところなので断定できませんが、弁護士が裁判だけでなく色々な分野に積極的に広がりを見せる必要があると思います。どうしても弁護士というと訴訟や裁判所に行っているイメージを抱くかもしれません。
しかし、裁判になる前に話をまとめるのも一つのあり方だと思います。それ以外にも福祉など弁護士がこれまで必ずしも十分ではなかった分野に積極的に広がっていくと世の中がもっと面白くなっていくのではないかと思います。
例えば、福祉の分野はこれから問題が出てくる分野です。高齢者の財産を管理するのは若い先生が適切な場合もあるのではないでしょうか。福祉の分野に積極的に弁護士が出て行くといいのではないかと思います。
ページを見ている方へのメッセージ
私たちは、とかく変化をおそれて現状に満足しています。特に現状のシステムでそれなりにうまくいっているときには変化に対して特に消極的です。
もっとも環境は常に変化しています。現状に満足しているといつのまにか環境に適合しなくなっていたということもありえます。
これからの時代を楽しく生きていくためには、環境に合わせて変化していくことが必要です。そして変化するためには、まずやってみるというスピリットです。そういったワクワクさせていただける方との出会いを楽しみにしています。
自己紹介
- 所属弁護士会
- 山口県弁護士会
- 弁護士登録年
- 2007年
所属事務所情報
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- 所属事務所
- 島田法律事務所
- 所在地
- 〒750-0012
山口県 下関市観音崎町12-10 太陽生命下関ビル5階 - 最寄り駅
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