どんな時も、前を向いて生きる
旅行会社勤務から弁護士への転身
大学卒業後、人と旅行が好きな私は、旅行会社に就職したんです。お客さまと旅行の日程を考えたり、時には添乗員として旅のお供をすることもありました。お客さまが喜んでくださる顔を見るのがとても嬉しくて、大変やりがいのある仕事でした。
そんな中、2004年に法科大学院制度が始まったんです。
直感的に、「これはいい機会かもしれない」と思いました。 実は私、大学時代に法曹を目指して勉強していた同級生を見て、一瞬法曹になることも考えたことがあったんですよね。 学生の頃から弁護士という仕事を身近に感じていましたし、定年がなく一生働ける仕事であることにも魅力を感じました。 それで一念発起して司法試験に挑戦することにしたんです。
そして、2008年に弁護士登録。
「弁護士になったんだから、全く違う仕事になるんだ」と思って構えていた部分があったんですが、 実際に働き始めると、仕事の本質は、旅行会社勤務の時とあまり変わらないことに気がつきました。
どちらの仕事も、目の前の人に満足していただくことが目的ですからね。
法律の専門家と呼ばれる弁護士なので、法律の知識を駆使して....というような イメージを持たれる方が多いと思いますが、実際には法律の知識を使う場面というのはごくわずかです。多くの時間は、依頼者とのコミュニケーションに割きます。
だから、法律の知識をどれだけ知っているかということも大事ですが、どれだけ人の話を上手に聞けるかという方がそれ以上に重要な要素になるんです。
二つのルール
弁護士として働き始めてから、私は、次の二つのことを自分に課して仕事をしています。
一つ目は、迅速な対応。
これは、最初に勤務した事務所の代表弁護士の教えでもあります。 法律事務所にいらっしゃる依頼者はなんらかのトラブルを抱え、精神的にも安定しない日々を過ごされています。 その不安な気持ちを1日でも1時間でも早く払拭できるように、メールの返信から書面の提出に至るまで、スピード感をもって行動することを意識しています。
二つ目は、依頼者と一緒に、しっかり現実と向き合うこと。
これはどういうことかと言うと、「有利なことばかり言わない」ということですね。
いろんな事件がありますから、関係者や状況によっては依頼者の望むような解決が難しいこともあります。 そんな時に弁護士が曖昧なことを言ったり、必要以上に期待を持たせるようなことを発言してしまうと、思わぬ齟齬に繋がり、最悪の場合には依頼者を傷つけてしまいます。「限界を伝えて初めて信頼が生まれる」ということも、時にはあるんです。
こうして考えてみると、迅速な対応が信頼に直結するというのも、人の真摯な気持ちを裏切らないように考えて仕事をするというのも、弁護士業に限らずどんな仕事をする上でも共通していることなんだと思います。
「弁護士業」と「父親業」
私は弁護士ですが二児の父親でもあり、家では積極的に育児に参加しています。 保育園の送り迎えをしたり、休みの日には子供といろいろなところに遊び出かけます。 二人の子供の父親になれたことは、私の仕事にも大きな変化をもたらしました。
一番大きな変化は、想像力の変化です。
例えば、小さい子が大声で泣いているとするじゃないですか。
そんな時大人が、「うるさいなぁ」と思ってしまうことって、どうしてもあると思うんですよね。 私も以前はそうでした。
でも自分に子供ができて、一緒に過ごす中で、本当に遅ればせながらなんですが、「泣くのにも理由があるんだ」と知ったんです。 意味もなく泣いたりしないと気づいた時、理由も聞かずに頭ごなしに叱ってしまったことを反省しました。 大人になると忘れてしまう感情や、素直には表現できない想いを子供たちから教わりました。
そしてこれは、仕事にも当てはまります。 依頼者が感情的になったりするのにも、相手方が想像以上に反発するのにも、全部理由や事情があります。 その理由を無視して自分の主張だけするのと、無視することなくお話しするのとでは、仕事の質が全然違いますよね。 このように、子育てでの気づきが仕事に活きることはたくさんあるんです。
“イクメン”という言葉が一人歩きしてしまうと、「育児に参加しないことが罪だ」みたいな捉え方になってしまわれがちなので、そういう語弊は避けたいですが、私は働くお父さんが育児に参加することに、とても賛成です。
子育てによって成長しているのは子供だけではありません。 仕事と育児の両立はたしかに大変なこともありますが、人生においての学びや喜びも多いのです。 これからも、「弁護士業」と「父親業」のそれぞれを頑張っていきたいですね。

学生たちに“リーガルマインド”を広めたい
実は、当弁護士法人は、法教育にも力を入れているんです。
2009年に司法制度改革の一環である裁判員裁判制度が導入され、市民の司法参加が制度化されました。 この司法と市民とのつながりは、必然的に教育分野においても影響を及ぼし始めました。 そして、2011年度から小学校、中学校、高等学校での学習指導要領において、法や決まりに関する分野の教育が充実し、法教育が学校教育に積極的に取り入れられるようになりました。
当事務所では、学生のみなさん一人ひとりに社会で生き抜く力を養っていただくために、所属弁護士が学校に出向き、法律知識や社会の成り立ちを教える授業を行なっています。
また、事務所全体としては、法教育の教材開発や教育テレビ番組などの法律監修の仕事にも携わっています。
以前担当した依頼者が「もっと法律の知識を知っていれば...」とおっしゃったことがありました。 法律や社会の成り立ちは知っているだけで得をすることがたくさんあります。
世の中にはどんな揉め事があるのか。またそれはどうして起こり、どのように解決するのか。
これからの学生さんには、是非幼い頃から法律の知識に触れて、考える習慣をつけてほしいと思います。
少しずつでも、「前へ」
このページをご覧になっている方がどんなトラブルを抱えていても、弁護士である私が伝えたいメッセージは一つ。
少しずつでも「前へ」進んでいきましょう、ということです。
思いも寄らないトラブルに巻き込まれてしまうと、「こんなはずじゃなかった」と塞ぎ込んだり、誰かのせいにしたいという気持ちが湧いてきてしまったりすることもありますよね。
でも、起こってしまったことをどんなに後悔しても、トラブルが解決することはありませんし、トラブルを抱えたままの精神状態を続けることは想像以上にストレスが溜まります。
だからそんな時こそ冷静になり、「なんとかして解決しよう」と動いてみることが大切。 過去は変えられませんが、未来はあなた次第でいくらでも変えることができます。
ご家族やお友達に相談されるのもいいですが、なるべく早く弁護士に相談すると、トラブル解決までの時間や、かかる費用を最小限に抑えることができるかもしれません。
綺麗な言葉で分かりやすくまとめる必要などありませんので、気になることや不安なことがあれば、なんでもご相談ください。
