
白野 浩憲 弁護士 インタビュー
弁護士を目指した理由
理不尽なことが嫌いなんですよ。何か揉め事が起こったときに理不尽な強者が勝って正しい弱者が負けてしまうということが多くありますね。そのようなことをなくしていきたい、世の中の理不尽な事を一つでも多く消していきたい、そのような思いを抱えているうちに、自然と弁護士になりたいと思っていました。
仕事の中で嬉しかったこと
やっぱり依頼人の方に喜んでいただけたときですね。「相談しただけで楽になった」「先生に会えて本当に良かった」など、「ありがとう」以上の表現で感謝の言葉を頂いたときは、本当に嬉しいですね。これからも一人でも多くの依頼者にお褒めの言葉を頂けるように頑張っていきたいですね。
大変だと感じること
この仕事は感情と感情のぶつかり合いを扱う仕事でもありまして、弁護士は依頼人の感情に対して慎重に向き合わなければなりません。それが難しいですね。
依頼人の方が「こうしたい」ということがあっても、法律的にはどうしても無理なことはあります。しかし依頼人には依頼人なりの経験や考え方があって、どうしても納得できない場合があります。そのような時に、どのようにすれば法律的なことを分かって頂けるかということは難しい問題です。
私としては依頼人の気持ちを大切にしつつ、法律的なことも一生懸命説明するようにしています。
休日の過ごし方
休日はあまりないですね。土日も基本的には事務所にきています。たまに休みがあったらお酒を飲んで(笑)、睡眠をとって体を休めています。
弁護士としての信条・ポリシー
事案に対処する上で、できる限り客観的なデータ、類似の事例などを調べた上で、解決までの見通しをなるべく依頼人に正確に、場合によっては少し厳しめに伝えるようにしています。良い情報だけでなく悪い情報も伝えるということです。
依頼人の言い分の方が正しいのだろうなと思える事案であっても、相手の方が決定的な証拠を握っているような場合もあります。そのような場合では依頼人の方が正しくても裁判では負けてしまう可能性が高いのです。そのような現実は依頼人のためにもきちんとお伝えします。
関心のある分野
強いて言うなら刑事事件ですかね。私はお金のやりとりにはそこまで興味が無くて、刑事事件をやりたいなと思って弁護士になったんですよ。人間は善悪を簡単に割り切れないところがあります。犯罪者と呼ばれるような人でも「この人は悪だ」と完全には割り切れないことも多くあります。家族がいたりすることもありますし。
そのような人が有罪になって刑務所の中で何年も過ごすというのは考えてみるとものすごいことです。正にその人の人生を左右しますが、そのようなことが決まってしまう現場に携わることにやりがいを感じます。
今後の弁護士業界の動向
弁護士市場がどんどん拡大していくという見方もありますが、私はもうこれ以上大きくならないと思っています。そもそも法律というのは社会のあらゆる分野に関わっています。つまり最初からあらゆる範囲をカバーしていたわけで、これ以上どの領域を広げることができるのか。私には疑問です。
強いて言うならコンプライアンスの観点から「上場企業などの会社の社外取締役の何人かは弁護士資格を有する者とする」等といった法律を作ることぐらいでしょうかね。まあ、企業は嫌がるでしょうが(笑)。
弁護士が増えて仕事は増えない以上、これまでとは違い仕事を得るのが難しくなるでしょう。そしてそれにともなって弁護士が依頼人に厳しいことを言えなくなってしまうのではないかと心配しています。
従来の弁護士には「偉そう」、「横柄だ」などのイメージがあったことも事実で、もちろんそれらは改めていく必要があるわけですが、言い方を変えれば「お金をくれる依頼者の言いなりにならない」ということであって、それにはいい面もあったわけです。つまり悪いことには「悪い」と言えたわけですね。
仕事が少なくなって「依頼人の満足が第一」になってしまうと、それができなくなってしまうのではないでしょうか。弁護士も食べていかなければなりませんから。現にそのような感じを受ける場面に遭遇し始めていますし。そのあたりのバランスのとり方がとても重要だと思います。
先生の今後のビジョン
お金をたくさん稼ぎたいとかはないですね。自分がきちんと食べていける分だけ稼いで、一人でも多くの方のお役に立てれば嬉しいです。きちんと食べていけて、なおかつ、お役に立ちたいなんて傲慢ですかね(笑)。
ページを見ている方へのメッセージ
理不尽なことに泣き寝入りしたくない方は、どうぞお気軽にご相談ください。一緒に悩みを解決しましょう。