よしだ けんいち

吉田 健一 弁護士 プロフィール

所属事務所: 三多摩法律事務所
所在地: 東京都立川市緑町4-4 立川北口薬局ビル4階
立川北駅徒歩7分
吉田 健一弁護士

インタビュー

吉田 健一 弁護士インタビュー
吉田 健一 弁護士 インタビュー

弁護士を目指したきっかけ

社会的に困っている人、人権の侵害に対する弁護士の仕事を通じて社会の役に立つことに魅力を感じ、弁護士を目指しました。大学を卒業し、企業に入って仕事をするより、社会の中で起こっている事件を解決する力になれればと思いました。

私の大学時代には、長沼訴訟や百里基地の憲法違反の訴訟があったり、また、大企業で働く人びとに対しても人権侵害が起こっていたりしていました。そうした事件の裁判の傍聴に行ったりもしていました。裁判の傍聴や解雇された労働者のお話を聞くことを通じて、より具体的にどのような弁護士になるかを考えました。

弁護士は、日常に起こる町医者的な事件も含めて関与をしていくことが前提になりますが、そうした街の人が日常遭遇する事件と併せて、社会的に大きな問題のある事件にも取り組んでいきたいと考えていました。

仕事の中で嬉しかったこと

解雇された労働者の権利が実現できたときや、職場に戻って働くことができるようになったときなどはやりがいが感じられる場面ですね。

また、横田基地の訴訟でも国の責任を認める判決が裁判所から出されました。そのように一緒に取り組んできた人と目指してきたものが実現できた場面は、頑張ってやってきてよかったと思います。

弁護士になって大変だと感じること

裁判所はなかなか適切に判断してくれるわけでなく、限界もあります。限界を感じながらも、何ができるかを考え、やれることをやっていくことが重要だと思います。

例えば、女性が携帯電話を注意した男性に対して、痴漢だということで警察に訴えた事件。痴漢の事実はなく、検察も嫌疑不十分で不起訴にした事件ですが、女性の訴えは虚偽の申告、警察の不当逮捕ということで行政や女性に損害賠償を請求しました。本来であれば裁判所が事実を明らかにし不正を正すべきなのに、裁判所は損害賠償の請求を認めませんでした。

また、圏央道建設にかかわる裁判で、地裁の一審判決では道路用地の土地収用をストップさせる判断がされましたが、これが高裁で覆され、結局土地収用が強行されました。行政をチェックする役割を裁判所が果たしていないことで非常に残念な思いをした事件でした。

しかし、本来憲法で保障する基本的人権が否定されるような現実、あるいは間違った行政のあり方は、それ自体は正されなければなりません。社会的には裁判もそれを正す取り組みの重要な一環になります。

裁判を通じて、かかわっている住民の方の運動や労働者の問題であれば職場の支援など、そうした周りの人の共感を得て、声が広がることが重要となります。そのような取り組みをともに進めること自体もやりがいのあることです。

歴史的な目で見れば間違っていたことが明らかになる場合もありますし、出された不当な判決に対して社会的な批判を強め、住民や労働者の運動で不当な判決を乗り越える解決が勝ち取れる場合もあります。裁判や運動に一緒に取り組んできた人たちが、運動を広げ、やってよかったという思いを共有することもあります。必ずしも裁判の勝ち負けだけで、取り組んだ意義が決まるわけではないと思うのです。

仕事をする上で意識していること

色々な側面がありますが、弁護士は気づかぬうちに目線が高くなったり、聞いているつもりでもよく事情を聞くことができていないことがあります。本人や関係者の話をよく聞く姿勢が大切になります。

また、法的には様々に限界があることでも、本人が何に困っていて何を実現したいか、弁護士として何ができるかということをできるだけ広く多角的な視点で考えるようにしています。

関心のある分野

元々弁護士の仕事というものはある意味で、自分がこの問題で看板を建ててそこに人を寄せるものではないと思いっていますので、最初から明確な分野があったわけではありません。相談がきたり声がかかったりする中で専門が広がっていくように思います。

そのようにして多く事件を取り組んできた労働問題、現在では、派遣や非正規雇用の問題などですが、労働者の権利問題がひとつの分野としてあります。

また、横田基地での公害訴訟に長年関わってきたり、沖縄の米軍基地や平和に関する事件に関わってきました。行政のあり方を正す取り組みなども、ひとつの分野といえると思います。

憲法問題との関わり

憲法は弁護士が仕事をしていく以上基本的な柱となります。それが直接問われる事件や活動ということでいえば、米軍基地に関連する訴訟や労働事件をはじめ基本的人権が問われる事件にかかわってきました。

憲法問題についていえば、20年程前に湾岸戦争があり、自衛隊の活動をめぐりPKO法案が提出され、これに反対する運動に取り組んだことが憲法問題に関わる1つのきっかけになりました。

また、時を同じくして小選挙区制の選挙制度を導入しようとする問題が出てきました。2012年12月に行われた総選挙でも問題になりましたが、小選挙区制の導入にあたっても、民意を反映しない制度であるとして、弁護士の中で反対運動が起こりました。そうしたことがきっかけで憲法の問題に携わるようになりました。

安保条約のもとで自衛隊がどのように海外で活動し、それがどのような危険性があり、憲法の平和原則から逸脱しているのかということを検討したりしました。それに加えて、平和的生存権をはじめ国民の権利の問題もあります。

有事立法など戦争に協力していく法律が作られてきましたが、そうした法律案の問題点を弁護士の間で議論したり、日弁連の委員会でも議論してきました。そのような活動を20年以上やってきました。

その活動の中で、アフガニスタンに自衛隊を派遣するテロ特措法という法律ができたときに、私は参議院公聴会で公述人として問題点を指摘したり、その後衆議院憲法調査会の公聴会で公述人として改憲の議論の危険性を訴える発言をしました。このように公の場で意見を表明する機会もありました。

このような動きと前後して読売新聞、自民党などによる改憲案など様々な改憲議論が出てきましたので、出された改憲案にどのような問題があるのか検討し意見書を作り、発表しました。自由法曹団という団体の改憲問題についての対策本部があり、そこで議論をし活動してきました。

また、憲法改悪を阻止する連絡会議(憲法会議)にも参加し、憲法についての検討、分析をしています。さらにも所属する法律事務所を中心に、地域にある9条の会などで学習会の講師活動もつとめています。

改憲の議論が出るたびに、どういう狙いでどういう問題があるかということをわかりやすく説明するようにしています。最近では準備されている秘密保全法や自民党の改憲案などについて、その内容の問題点や危険性を講師として話しをさせてもらっています。

憲法を巡る動きについての考え

ねらいは憲法9条の「改正」です。自衛隊を国防軍にすることだと自民党も言っています。これまでにも、自衛隊の海外派兵や有事立法をつくるなどして、憲法9条をなし崩しにしてきました。それを憲法という明文の上でも正面から変えていく動きだと思っています。正面から軍隊を憲法の上で認めると、憲法の仕組み自体が変わってきます。

日本の憲法は、戦争をしない、軍隊を持たない平和主義を前提として国民の基本的人権の保障や民主主義など基本的な仕組みが成り立っています。例えば、戦争のために人権が制限されたり、とりわけ、そのために国民が言いたいことを言えなくなってしまえば、憲法の基本的な体系がなし崩しになります。

すでに、海外派兵や有事立法などでそれをなし崩しにしてきましたが、最早、それを取り繕えなくなったので憲法の明文まで変える、そのような動きだと思います。これまでは解釈や立法の上で本当は矛盾があってもそれをごまかしながらやってきました。そうしたごまかしが利かなくなっているところまできていると感じます。

例えば尖閣諸島などの動きに関して、それは日本が毅然とした態度をとっていないからという雰囲気があると思います。過去にそうしたことの結果として何が起こったかを考える必要があります。そうした意味では戦争の反省をどこまで共有できるかということは重要だと思います。

けしからんことをやる国だからこちらも武力をもって、力で捩じ伏せるために強くならなければいけない、今の改憲派はそういう流れを作ろうとしています。しかし、そうではない解決はありえないのかということを議論していく必要があります。

冷静に考えればわかると思うのです。実際、海外で仕事をしている日本人もいますし、経済的にも支え合っている状況です。武力を行使する事態となれば、人が殺されて血を流す現実があります。そういうことが残念ながら今も中東などでは起きています。日本は、そういう事態を過去に経験しているはずなのに、実際にやってみないとわからないというのでは困ります。

事態を冷静にとらえ、どうすれば話し合いで平和的な解決ができるのか考える必要があると思います。

今後の弁護士業界の動向

弁護士が増えることで、弁護士が本来やるべき仕事をやらなかったり、問題がある処理をして市民に迷惑をかけることが多くなる側面もあると思います。しかし、逆にそれだけの法律家が市民の中に適切に浸透し、きめ細かくやっていけば、弁護士という仕事の原点に帰って社会の役に立つことになると思います。そうしたことからも弁護士のやれる部分はまだあると思います。

私は弁護士を増やしたことがまったく間違っていたとは思っていません。一定の数の弁護士が市民のために適切な役割を果たすこと自体は大切なことだと思います。例えば、これまで弁護士がいなかった地方に弁護士がいき、市民に身近な司法を実現する役割を果たす例もあります。このように増やしたからこそできることもあります。

ただし、現状では、数的に限度を超えている実態があります。弁護士の基本的な役割を果たすために、社会的な問題に対して関与したり、人びとにきめ細かな仕事を担うこととあわせて、検討が必要だと思います。

人物紹介

所属弁護士会

  • 所属弁護士会
    第二東京弁護士会
  • 弁護士登録年
    1980年

吉田 健一 弁護士へ問い合わせ

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吉田 健一弁護士
042-524-4321

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【所属事務所】
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【所在地】
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【最寄り駅】
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