菊谷 淳子 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
私は最初、弁護士がどのような職業かというイメージを持っていませんでした。司法修習に行きたかったのは、実務修習で普段の生活では見ることのできない体験ができると聞いていたからです。実際、修習は取り調べの現場、差し押さえ、司法解剖など様々な体験をすることができました。毎日が新鮮で面白かったです。
そんな中、弁護修習で、3か月みっちり叱ってくださった先生方と出会い、弁護士の厳しさを教わりましたが、かえって弁護士になりたいと思うようになりました。
今でも、弁護士の仕事は様々な世界に飛び込んでいけるのでとても面白いと思いますし、弁護士になってよかったと思います。私のボスも「弁護士は面白い。15年たっても飽きない」と言っております。私も15年たっても同じことが言えたらいいなと思っています。
仕事の中で嬉しかったこと
法律相談を8軒回ったけれども、どの弁護士からも請求は難しいと言われたという事件を受任したことがあります。その事件で勝訴し、依頼者に喜んでもらったことはとても嬉しかったです。
また、陳述書作成時に依頼者から「私の想いを理解してくれてありがとう。言いたいことを全て言ってくれました。本当に嬉しかった。もう負けてもかまいません」というメールをもらったことが嬉しかったです。依頼者と信頼しあうことができたと感じた瞬間です。まさかの時のためにメールはしっかり保存しましたが(笑)。
それから、元依頼者から「先生ちゃんと食べてますか」「仕事はほどほどに」といったメールをもらうようになりました。依頼者と人間的なつながりを感じることが本当に嬉しいです。
印象に残っている事例
ある刑事事件で、被告人が脅されてやむを得ず犯行に加担してしまったというのがありました。被害者のことを考えると「なぜ、被告人は抵抗しなかったのか」など疑問が生まれます。
しかし、受任に際し、ボスに「その人置かれた状況をまず理解すること、人は自分自身を理解してくれる者を得て初めて自分の犯した罪を悔いる気持ちが生まれる。断罪し、反省を促すだけでは決して真の悔悟につながらない」と言われました。私はそれでは手ぬるいと内心思っていましたが、被告人を絶対に責めないよう心がけました。
すると、最初は自分の今後の生活ばかり気にしていた被告人が、だんだん罪を償っていきたいという気持ちを表すようになりました。人の心とどうやって向き合うか、ボスの言葉にとても学ばされた事件です。
弁護士になって大変だと感じること
毎日とても忙しいので、自己管理が大変です。修習の先生には「お弁当を作る暇があるなら本を読め」と言われましたが、なかなか勉強する時間をゆっくりとれません。また、私の事務所は愛と悪戯心にあふれているので、体重管理すら大変です。それはもう、事務員からおやつを食べさせられるので(笑)。
仕事の内容面で言うと、私の事務所は取扱分野が幅広く、いつ、どんな事件が突然来るかわかりません。大変ですが、どのような事件が来ても、お客様に満足してもらえるようにしていきたいと思っています。忙しいことを言い訳にせず、新たな分野の開拓のための勉強など頑張りたいです。
仕事をする上で意識していること
依頼者は様々な事情をかかえています。ずっと心に抱えていた大きな苦しみを、誰かに相談したいと思ってもだれに相談してよいかわからなかった方は多いと思います。そういった苦しみを相談しやすいような、そういう対応を心掛けています。
逆に都合の悪いことを依頼者から聞き出すことも必要だと思います。事前に手を打つこともでき、依頼者のためになるからです。
こちらから、「あれ?」と気付くことができるように、自分の目で見ることを重視しています。自分で現場へ行き、なるべく人には直接会うようにしています。現場に行って初めてわかることもあり、本当に勉強になります。
関心のある分野
最近、子供の虐待事件など、子供がらみの深刻な事件も多く相談を受けるようになりました。小さい子供に行為能力がないので、子供の親権者がまともではない時にどうすればよいか、無国籍の子供のケースはどう対応したらよいかなど問題は山積みです。
行政の不親切な対応や自分本位の親に怒りを感じることもありますが、迅速に、的確に対応できるように心掛けています。