小池 純一 弁護士 インタビュー
弁護士を目指した理由
中学生や高校生の時は、様々な職業に興味を持っていました。大学は法学部に進み、司法試験の勉強を始めましたが、次第に将来弁護士になるというイメージを持つようになりました。
報道機関のニュースなども自分が法律家になったらどうかという目で見るようになり、その中で過労死問題に興味を持ち、この問題に法律家として取り組んでみたいと思うようになりました。
仕事で嬉しかったこと
事件が解決して、依頼者の方の喜んだ表情を見たときは嬉しいです。
私の知人で芸術分野に進み活動している人もいますが、この分野の仕事は人を幸せにする仕事です。しかし弁護士の仕事はマイナスをゼロに近づけていく仕事です。
事件が終わり、依頼者の方が初めに相談された時とまったく違った表情でいらっしゃる時は、良かったと感じます。
印象に残っている事例
少し特別な交通事故があり、バイクを運転して亡くなった若い男性のご両親から相談がありました。一番左の車線を制限速度以内で走行していたバイクの運転手が、都内の幹線道路で渋滞して車が並んでいる状況で、違法な横断をする若い歩行者の女性と接触してしまいました。歩行者の女性もかなりのけがをしましたが、バイクの運転手が亡くなってしまったという事故でした。
裁判の実務では、バイクと歩行者の事故の場合はどうしても歩行者の立場の方が弱く、バイクの過失の方が大きいというところから始まります。
しかし私たちは、この交通状況の中で誰にどのような事故原因、過失があるのかということを一から明らかにすべきと考えて訴訟活動を行いました。
この裁判は、お互いが対立したまま最高裁まで進みました。最高裁で判決が確定した後、普通なら保険会社から賠償金を貰い終了という形になるのですが、依頼者であるお父様から「裁判が終わったので、最後に相手方に線香を上げにきてほしい」という話がありました。 相手方の代理人をされている弁護士の先生に相談をして、相手方と一緒に依頼者の自宅まで来て頂きました。その時に、相手方の女性の姿を見て、この間、相手方も苦労をしたことを察したお父様が涙を流され「事故の件は許しますから。今日でこの事を忘れて、自分の人生を生きていってください」と話し帰っていただきました。お母様は、黙ったままでしたが、お父様が謝り「許すと言ってしまった。ごめんな」と話し泣き合っていました。
この事件は強く印象に残っています。
大変だと感じること
色々ありますが、依頼者との関係で大変と感じることが時にあります。
依頼者の方々が抱えている悩み、置かれている状況、求める解決内容は様々であり、それらをきちんと理解して紛争解決に向けて進めていくことが大切です。
そのようにして信頼関係を築いて事件活動を進めないと、依頼者との関係で苦労することがあり、この点は、これからも経験を積むことが必要と感じています。
依頼者に対して心がけていること
先の回答とも重なりますが、依頼者との関係は特に意識しています。依頼者は、代理人である私たち弁護士を信頼して紛争の解決を依頼しています。
私のほうでも、できる限り、依頼者に裁判の流れをお話して理解していただき、また、依頼者の考えや心情もできるだけ理解するようにした上で、事件活動を進めるように心がけています。
特に関心のある分野
過労死などの事件には引き続き関わっていきたいです。また、弁護士の仕事は事件によって得意な分野がつくられていくということがあるので、これからも、様々な分野の事件に関心を持って取り組んでいきたいと考えています。