太田 茂 弁護士 インタビュー
弁護士を目指した理由
私が小学生の頃、親戚が不動産のことで法的トラブルに巻き込まれそうになったことがありました。当時私は幼かったので何が起っているのかよくわかりませんでしたが、社会の決まりやルールを知らないと大変なことになるのだな、とぼんやり感じたことを覚えています。その頃から漠然と「正義の味方」になりたいと思い始めました。
その後に、探偵小説やドラマに興味をもつようになり、その中でも、車いすにのった弁護士が刑事事件を解決していく「ペリーメイスン」というアメリカのドラマを見て弁護士に憧れ、自分も弁護士を志すようになりました。
印象に残っている事例
初めて担当した刑事事件が印象に残っています。知的障害がある方がコンビニで窃盗をしてしまったという事件です。
その方は今までにも数回刑務所に入ったことがあり、起訴されてもおかしくない状況だったのですが、その時にたまたま紹介していただいた、罪を犯した方の社会復帰を助けるNPO法人の方が、一緒に警察署に行ったり、コンビニに謝りに行ったりしてくださっただけでなく、自分たちが両親のいない彼の身元引受人となって社会復帰をサポートするということを検察官に説明をしてくれたのです。おかげで彼は起訴を免れました。今でも時々そのNPOと連絡を取りあい、彼の様子を教えてもらっています。
弁護士としての信条
人とのつながりを大切にしたいと思っています。この仕事をしていると、依頼者を始めとする様々な人に出会う機会があります。いろいろな悩みや感情を抱え、やっとの思いで来られる依頼者に対し、多くの依頼者を抱える僕たち弁護士はすぐ理屈論で対応してしまいがちであるという立場のちがいもありますし、多くの方に出会う分、全ての方との関係を保ち続けるのは難しいことですが、人とのつながりを大切にしていくことが、また新たな出会いを生むと思います。
また、宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」がとても好きで、あの詩に出てくるような弁護士になりたいと思っています。
以前、上京して一人暮らしをしていた男性がアパートで亡くなったまま一ヶ月ほど放置されてしまったという事件を担当したことがありました。大家さんは遺族に部屋のクリーニング代を請求しており、男性のお父さんはとにかく早く事件を終わらせて静かに息子さんを供養することを望んでおられました。
「できるだけ早く」というお父さんの気持ちに応えたいと、私は現場に何度も足を運び、大家さんとも毎日話し合い、その結果、一週間ほどでお互いが納得いく解決を導きだすことができました。
もっと長い時間をかけて交渉すれば、請求額はもっと安くなったかもしれませんが、お父さんがそれ以上に望んでおられたのは、早く事件を収めることでした。この案件のときのように、依頼者の為にすばやく、広く行動できる弁護士でありたいと思っています。
悩みを抱える方へのメッセージ
市民の方には、弁護士に気軽に相談して頂きたいと思います。
私自身「弁護士は敷居が高い」とトラウマになってしまうくらいよく言われるのですが、そのように感じられる理由のひとつに、「弁護士=値段が高い」というイメージがあるのではないでしょうか。値段が決められておらず、食べ終わってから支払いの時に初めて値段がわかる、昔のお寿司屋さんのような感覚があるのかもしれません。
しかし、相談料は一律ですし、実際の依頼に関しても、お金に不安がある場合は相談していただければできる限り対応します。例えば分割払いも可能です。
弁護士の敷居の高いイメージ、特に金銭面からくる敷居の高さは、なんとかなくしていきたいと私も日々悩んでいるので、是非市民の方も金銭面のことは心配なさらずにご相談いただければと思います。