
藤元 達弥 弁護士 インタビュー
弁護士になろうと思ったきっかけ
弁護士になれば、自分のやりたいことができたり、自分の言いたいことが言えたりして、自由な生き方ができると思ったからです。弁護士の仕事は、責任は重いですが、一方自由な生き方もできます。高校の頃から、漠然と憧れを抱いていました。
印象に残っている案件(事件)
難民関係の事件です。私は、弁護士になる前によく海外を旅していました。その中で貧しい国に行くことがあり、日本が恵まれていることを、身をもって実感し、貧しい国の人の為に弁護士として何かできないかと考えました。そこで、積極的に難民事件を扱っています。まだ継続中の案件が多いのですが、ある収容中の依頼者について、住む場所や保証金を用意し、仮放免申請を行いました。日本に来て、自国に帰ることもできず、半年以上施設に収容されていたので、出て来られた時は目に涙を浮かべて感謝されました。
仕事のなかで嬉しかったこと
いろいろな人と出会えることです。普通の会社に所属すると会社内の人間関係が中心になりますが、弁護士は多様な国籍・年代・職種の人たちと、仕事を通して出会うことができます。その人たちから人生経験を聞けたりするので、とても勉強になり楽しいです。
大変だと感じること
仕事の責任が重いことです。人の人生に関わる仕事なので、失敗は出来ませんし、私は即独しているので、同じ事務所内の先輩に聞くこともできません。この仕事は素早い判断が必要な場面も多いですし、精神的に追い詰められる場面はあります。しかし逆に言うとそこがやりがいを感じるところでもあります。
休日の過ごし方
土日のうち一日は仕事をして、一日は掃除、洗濯をします。時間があるときはギターを弾いて歌ったりしています。バンドメンバー募集中です(笑)。後は山登りも好きですね。
弁護士としての信条・ポリシー
依頼者の立場に立つことです。弁護士は敷居が高く怖いイメージだと思います。法律的なアドバイスをするのはもちろんですが、悩みを持って相談に来る相談者の話をよく聞いて、気持ちに共感することが何より大切だと考えています。また、弁護士に頼むことは、依頼者の方にも大きな負担がかかることです。このため、依頼者との契約を急ぐことなく、今後の見込みなどをすべて伝えた上で、一度家に帰って考えてもらうようにしています。
依頼者に対して気を付けていること
やはり依頼者の立場に立って考えるということです。
関心のある分野
依頼された事件はどれも関心を持って取り組む姿勢ではありますが、特に関心があるのは外国人関係です。これは海外を旅した経験やニューヨークに住んだ経験が大きいのですが、言葉が通じないことや文化が違うことでとても厳しいと感じることがありました。私が話せるのは日本語で、知っているのは日本の文化ですが、海外では、その能力は全く役に立ちません。 日本に来ている外国人も私が海外へ行ったときと同じように苦労している人が多くいます。弁護士の関わる問題は日本人でも難しい場面なのに、言葉も文化も通じない外国人はとても不安だと思います。外国人関係は扱っている弁護士も少ないですし、力を入れていきたいと思っています。
今後の弁護士業界の動向
弁護士が増えていくので、今までのように待っていれば仕事が来るということはなくなり、サービス業として優れたものを提供できなければ、やっていけなくなるでしょう。個性のある弁護士も増えていくと思いますし、事務所の形態としても、様々なものが生まれるでしょう。一般の方からすると、サービスが多様化するので、より弁護士を使いやすくなると思います。
今後のビジョン
私は、弁護士として仕事を始めた後、1年間ほど、難民支援を行うNPOの中に籍を置いて、弁護士として、NPO業務や、そこに来る相談者への対応を行っていました。今後も、従来の弁護士活動の枠組みにとらわれず、活動していければと思っています。
ページを見ている方へのメッセージ
インターネットで調べて分かることは多いので、自分の抱えている問題を、簡単にでも調べてから弁護士に相談に行かれることをお勧めします。また、インターネットで弁護士を探すときに注意すべきことは、サイトが立派な弁護士が良い弁護士とは限らないということです。弁護士に依頼されるときは、一人の弁護士だけではなく、できれば複数の弁護士に相談した上、自分で信頼できる弁護士を選ばれるといいと思います。