安孫子 理良 弁護士 インタビュー
弁護士を目指した理由
一橋大学の法学部、国際関係コースで勉強をしていたことから2年生までは、NGO活動や、ビルマやアフリカで起きている紛争や貧困問題に興味を持っていました。
その頃に、メコンウォッチというNGO団体の代表を務められていた松本悟先生の、メコン川のダムについての授業を受ける機会がありました。そこで、欧米の弁護士はそういったダム等の影響や周辺住民の意見を政府等に訴える役割を担っていると聞きました。
そのように、弁護士が弱者の声に法の力を与えるという活動は日本では少ないと聞かされ、自分がやりたいと思いました。松本先生の実体験にとても興味を惹かれ、机上の空論ではなく、当事者・現場に近いところ、直接の実体験から社会に出て行きたいと考えたのがきっかけです。
取り組んできた事例
生活保護支援法律家ネットワークの電話相談から、足も悪く、生活保護を受けたいというおばあちゃんからの相談を受け、一緒に福祉施設まで行ったことがあります。後になって、相談する寸前まで、ローンなどもあり死ぬことも考えていたが救われたと言われました。自分ひとりでも、誰かを救ってあげることができるのだと実感した案件でした。
仕事で嬉しかったこと
依頼者が「ありがとう」と言い、ホッとしてくれる瞬間があります。そういった形で感謝してもらえたときに嬉しく感じます。
大変だと感じること
とても多いですが、特にあげるとすれば、一般民事を扱っているので、人の人生を左右することが多く、依頼者の気持ちを理解・尊重しないと自分への信頼や関係性の維持ができなくなってしまうことです。その上で、依頼者の気持ちを汲んで法律を適用していくことが大変です。
弁護士としての信条
社会的弱者の側に立つことです。自分がおかしいと思ったことに関して、とことん突き詰め、被害者・弱者の言葉を法で理論付けて力を与え伝えていくことです。
依頼者に対して心がけていること
依頼者の話をよく聞き、その人の気持ちを受け止めてあげることです。医療過誤の事件で、1か月強で亡くなった赤ちゃんが、後の解剖で、実は先天性心疾患を患っていたことが発覚したという事件がありました。
その事件でわが子を亡くした夫婦は、事件に対する気持ちがとても強く、自分たちで多くのことを調べてきていました。そのような気持ちを、全て受け止めることはできなくとも、少しずつでも受け止め、考えて話してあげるように気をつけています。
特に関心のある分野
外国人研修生・技能実習生の人権問題に関心があります。彼らは、低い賃金で過酷な労働を強いられていますが、社会的弱者のため権利主張が出来ておらず、最も弱い立場だと思います。
メッセージ
一件一件を大切に扱っています。また、事務所の設立理念が、「憲法の精神に忠実な良心的在野法曹」です。この設立理念を個々の事件の中で実現していくことは難しいですが、根本において誠実に行っています。人権擁護と、社会正義の実現を誠実におこなっていきたいと思います。