指宿 昭一 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
学生時代に学生運動を通じて、差別と抑圧のない社会を実現するために日本を変えなければならないと思いました。
卒業後、中小企業労働者を中心とする労働組合に参加し、労働運動を行っていましたが、お世話になっていた先生が過労で倒れられたことをきっかけに、自分たちの中から労働運動の発展の為に弁護士を養成しようということになり、弁護士を目指すことになりました。
印象に残っている事例
弁護士になって最初に取り組んだのが、外国人の研修・技能実習生の事件でした。
そこでは、低賃金での長時間労働・パスポートの取り上げ・外出等移動の自由の厳しい制限・不当な「違約金」・「保証金」などの下で、「奴隷」的ともいえる労働実態があり、著しい人権侵害が常態化していました。
労働審判を申し立て、4人に600万円の支払いを約束させました。この事件が報道されたことで、全国の研修・技能実習生から相談が来るようになりました。
また、各地で同種事件に取り組んでいる若手弁護士とのネットワークができ、外国人研修生問題弁護士連絡会を結成するに至りました。
仕事の中で嬉しかったこと
ある労働災害事件で労働者側(被告)の弁護人を務めました。一審が、原告の過失割合を8割とした上で、不当な念書の効力を認め、請求を破棄しました。これは、信じられない不当判決でした。その後の控訴審で巻き返し、勝訴的和解を勝ち取ることができました。
困難な状況から逆転まで、最後まで闘い抜けたことが嬉しかったです。
弁護士になって大変だと感じること
案件毎に、頭と気持ちの切り替えを行うことです。一度に多くの案件を扱うため、1つだけをやるわけにはいきません。
しかし、一つ一つに依頼者の人生が関わっているため「多くの中の一つ」という捉え方は決してできません。自分の時間には限りがあるので、切り替えて取り組むのが大変です。
休日の過ごし方
ゆっくり睡眠をとったり、お風呂にゆったり入ったり、散歩や読書をしたりリフレッシュをします。また、残っている仕事を片付けることもあります。
弁護士としての信条・ポリシー
「法を尊び、法に頼らず」
依頼者のために、法律を最大限活用してその権利と人権を守ります。しかし、法律の限界を見極め、法律だけに頼り切った闘いはしません。
特に、労働事件においては、依頼者の利益を守りつつ、法律を駆使して徹底して闘い、法律に問題があればその問題点を指摘し、制度の改革や社会体制の根本的な変革を含めた運動の構築を目指していきます。
裁判のみに終始せず、労働運動や住民運動の発展のために、現場に出かけ、当事者と供に笑ったり、泣いたりしながら闘っていきたいです。
依頼者に対して気をつけていること
一番は、依頼者の立場に立って考えることです。依頼者は困難な問題を抱えて事務所を訪れます。相談をしてもらい、一緒に考えていくことで、初めは暗かった依頼者の未来に、暁の光のように希望を見出してほしいのです。それが、暁法律事務所の「暁」の意味なのです。
関心のある分野
労働事件(労働者側)、外国人事件、冤罪、環境訴訟(ダム建設差し止め等)に関心があります。
今後の弁護士業界の動向
無理な弁護士激増政策が弁護士の自律性、弁護士会自治を破壊しようとしていると思います。今のままだと、事務所や弁護士自身が人権を守る困難な事件に積極的に取り組むことが出来なくなってしまうのではないでしょうか。今後は、この政策と闘わなければなりません。
今後のビジョン
労働事件を中心に、差別と抑圧と闘う弁護士として仕事をしていきたいです。同じ方向で闘っていく仲間を増やしていきたいと思います。
悩みを抱える方へのメッセージ
特に、労働現場で、労働者としての権利を踏みにじられ、悔しい思いをしている方へ。諦めないでください。職場内外に仲間を見つけ、団結して闘えば道は開けます。私も、お手伝いいたします。