藤田 充宏 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
大学1年生の時に、同じクラスの友人が弁護士を目指していると聞いて、興味を持ったということが最初のきっかけです。受験勉強で苦労する中、弁護士という仕事についてもよく知るようになり、大変だけど自分の信念に沿って仕事ができるいい職業だなと感じ、だんだんと魅かれていきました。
印象に残っている案件(事件)
ある刑事事件です。10人程度の集団で行った共犯事件ですが、対立する暴走族グループのメンバーの1人を拉致して死なせてしまったという事件でした。私はその中の1人、元々暴走族のメンバーでもなく、友人に誘われて断り切れずに巻き込まれてしまったという立場にある少年の弁護をしました。
私は弁護人として、被告人は犯行計画の全容を知らず、現場に金属バット等の凶器が準備されていることも知らなかったという主張をしたのですが、判決の中で、弁護側の主張が全面的に認められたことが嬉しかったです。
結果として執行猶予が付き、被告人は刑務所に行かずに済んだわけですが、なにがなんでも獲得しなければならない結果を無事得られた、ということで印象に残っていますね。
仕事の中で嬉しかったこと
弁護士は日々何件もの事件を並行しているのですが、その中で依頼者に喜んでもらえ、希望に叶った結論が出せるということが嬉しいことですね。
弁護士になって大変だと感じること
弁護士の仕事というのは相手がある仕事です。弁護士とよく比較される業種として医者の仕事がありますが、医者の場合は相手がいなく、どういった治療をすればどういった結果が得られるかある程度予測がつきます。
しかし、弁護士の場合は相手が人間なので、こういう対応をすればこういう結果が出るという予測が立ちにくいわけです。同じような局面で同じ対応をしても、全く違う反応が起きることもあります。
ですから相手がある仕事の中で、如何にその時々で適切な結論に導ける判断を取れるかということが大変と感じます。
休日の過ごし方
平日に家族と過ごす時間がなかなか取れないので、休日はなるべく仕事をしないで家で家族と過ごすようにしています。
弁護士としての信条・ポリシー
私は聖書を信じるクリスチャンなので、聖書が示す正義というものを常に意識してそれに背かない仕事をしなければならないと考えています。
依頼者に対して気をつけていること
弁護士が扱う仕事は色々な事件があって、大きな事件もあれば小さな事件もあります。しかし、依頼者にとっては、事件は1つであり、どんな事件であっても一生に一度の事件ということがほとんどです。ですから、依頼者の立場に立って全力でやらなければならないと思っていますし、依頼者の立場に立ってできる限りのことをしたいと考えています。
関心のある分野
裁判員裁判ですね。裁判員裁判は従来の刑事裁判を大きく変えるきっかけになると思っています。刑事裁判では、無罪推定の原則等の重要な原則があるのですが、従来の刑事裁判の場合はこれが守られておらず、むしろ逆の運用がされていました。疑わしかったら罰せられていたし、起訴された被告人は有罪と推定されていたところがありました。
裁判員裁判になって一般の方が裁判官と同じ立場で物事を判断するようになった結果、裁判官よりも一般の方のほうが刑事裁判の原則に忠実に判断されているように思います。一般の方が刑事裁判へ参加することにより、本来の刑事裁判のあるべき姿に近づいてきていると思うので今後もその傾向を続けていってほしいと思います。
今後の弁護士業界の動向
近年の傾向として、弁護士の数が大幅に増えているということがありますので、それによって良い面もそうでない面もあると思います。
良い面としては、弁護士が増えることによって司法サービスが行き届いていなかった分野に司法サービスが行き届くということがあると思います。悪い面としては、増員によって弁護士の意識が変わりつつあるのではないかと思われる点です。
これまでは、弁護士は、仕事でお金を稼ぐという意識をあまり持っていなかったと思います。お金のためではなく、社会正義のために使命を持ってやっているというのがこれまでの一般的な弁護士像だったと思うのですが、弁護士が増えて業界内の競争が増えてきますと、弁護士の使命がどうかということよりもどうやって儲けようかという意識の方が先に立ってしまう弁護士が出てくるのではないかという懸念があります。
今後のビジョン
私は弁護士になって10年ですので、さらにスキルを積んで質の高い仕事をしていきたいと考えています。事務所を大きくしたいという思いはあまりなく、自分の手の届く範囲で質の高い仕事をしていきたいと思っています。
ページを見ている方へのメッセージ
一般的な弁護士のイメージというものが世の中にあると思うのですが、それはあくまで抽象的なイメージでしかないので、実際の弁護士像は一人一人全く違います。
もし弁護士を必要とするような時があるならば、知り合いだからとか知り合いの紹介だからというような安易な理由で決めるのではなく、その弁護士は本当に自分に合っているのか、ということをよく吟味すべきだと思います。
事件が解決するまでにはそれなりの時間がかかりますので、その結果、弁護士との付き合いもそれなりに長い付き合いになりますので、本当に信頼関係を築ける弁護士を選んでいただきたいと思います。そうされることで良い結果になると思います。